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鳥オタクが教える幸せなオカメインコの飼い方

鳥の飼育アドバイザー/鳥オタク歴30年

鳥飼 学

さまざまな鳥の飼育に携わって30年。現在は北海道で鳥やガーデニング専門のライターとして活動中。畑仕事と3人の子の育児に追われる中、ニワトリ、…

これからオカメインコを飼いたいと考えている方、ペットショップで一目惚れして連れて帰ってきた方、そんなオカメインコ初心者のための飼育講座です。
オカメインコや文鳥など、一般的な飼い鳥からサギなどの野鳥保護までさまざまな鳥飼歴30年の鳥オタクが、オカメインコの迎え方、飼い方を一から教えます。
オカメインコはとても飼いやすい鳥です。初めて鳥を飼う人でも基本的な知識と心構えがあれば、飼育を始めることができます。

目次

  1. オカメインコとは?
  2. 寿命や性格など飼う前の心得
  3. 飼い始める前のチェックポイント
  4. 飼うために必要な住環境
  5. オカメインコをお迎えする
  6. おわりに

オカメインコとは?

オカメインコ
学名:Nymphicus hollandicus
英名:Cockatiel
和名:オカメインコ
原産:オーストラリア
体長:30~35cm
体重:80~110g
(オウム目オウム科オカメインコ属)

オカメインコは羽色とチークパッチが特徴的

グレーを基調としたノーマル、レモン色のルチノー、全身真っ白なアルビノなど、オカメインコは品種ごとに美しい羽色を持っています。

和名の「オカメインコ」は、頬にあるチークパッチが目立つことからつけられたものです。
チークパッチのオレンジ色は、雌雄によって濃い色から薄い色があり、品種によってはないものもあります。
愛らしいオカメインコの性格を表すかのような頬のオレンジは、オカメインコのトレードマークでもあり、大きな魅力の1つと言えるでしょう。

品種ごとの違いに関しては「オカメインコの品種まるわかり【鳥オタクが丁寧に教える】」を参考にしてください。羽色ごとの品種の違いなどが書かれています。

オカメインコは早く飛べて目もとても良い?

原産はオーストラリア内陸部の乾燥地帯です。
ワイルド個体は群れで暮らしており、一夫一妻制です。
家ではいつものほほんと暮らしているオカメインコですが、オーストラリアでは「最速の鳥」と呼ばれるほど速く飛びます。強くたくましく生きているその姿は、ペットとして飼われているオカメインコからは想像できないものでしょう。

視力は人の3倍以上、色覚も人より優れていると言われています。
嗅覚や味覚は劣っていると一般には言われていますが、特定の食べ物や甘い物を好んだり、個体によっては相当にうるさい好みがあるため、近年では相応に優れているという見方をされることが多いようです。他の鳥にも多く見られる共通点で、辛みの刺激に関する感覚だけは鈍く、唐辛子も気にせず食べる様子が見られます。

寿命や性格など飼う前の心得

あなたがオカメインコを飼いたいと思った理由はなんでしょうか?
子供にせがまれたからでしょうか。それとも一目見て好きになったから?犬や猫より楽に飼えそうだと思ったから?
理由はさておき、中型インコをお迎えしようと考えた時、飼い主となるあなたが知っておいた方がよいことがいくつかあります。

オカメインコの価格は中型インコにしては低く、手の届く価格帯であると言えます。羽色にこだわりがなければ1万~2万円程度で手に入れることが出来るでしょう。
しかし飼う心構えについて、丁寧に教えてくれるショップは残念ながら多くありません。
あなたが今、オカメインコを飼いたい、もしくはすでに飼ってきてしまったのなら、まずは基本的なことだけでも、オカメインコについて勉強することをおすすめします。

オカメインコは比較的長寿命

品種や個体差はありますが、オカメインコの寿命は、15~20年と比較的長寿です。
病気や事故がなければ20年以上生きることもあり、あなたの人生の一区画をともにするパートナーという存在になりえます。赤ん坊と一緒に飼い始めたら、その子が成人するまで一緒にいることになるのです。

長い期間飼育することに対して、その覚悟がない方にオカメインコはおすすめできません。
旅行に行く時、家族の生活スタイルの変化があった時、飼えなくなることが簡単に予想出来る場合は、飼育に関してもう一度よく考えてみることが必要です。

とはいえ、オカメインコは丈夫で飼いやすく、キャリーを使用すれば飛行機にも乗れますし、キャンプにだって連れて行くことも出来ます。そして何より、愛情深く、喜怒哀楽に富み、おしゃべりであなたの心をなごませてくれる存在です。
魅力的なオカメインコを飼いたいと思うことは、決して間違いではありません。

脂粉は多めで細かい羽も多く抜ける

オカメインコは「脂粉(しふん)」と呼ばれる白い粉を落とします。特に羽繕いに熱心な時は、細かい羽とともによく落ちます。
これは人間の髪の毛と同じ、ケラチンというタンパク質から出来ているもので、それ自体に毒性があるわけではないものの、アレルギーを持っている方などは掃除を怠ると、症状が悪化する恐れがあり、注意が必要です。

性格はスキンシップが大好き

オカメインコの性格はおとなしくて愛情深く、スキンシップが大好きな鳥です。少し臆病なところもありますが、丈夫で飼いやすく、人や他の鳥にも優しいオカメインコは、コンパニオンバードとして最適な飼い鳥と言えるでしょう。

ただ、一日中ケージの中に入れて全くかまってあげないとストレスがたまって元気がなくなってしまうこともあります。1羽で飼うときはなおさらです。
いつも様子を気にかけてあげ、ゆったりとした気分で触れ合うことができ、「かわいいね」と声をかけてあげられることで、ストレスが軽減するので是非声をかけてあげてください。

家具などをかじるので注意が必要

大型インコのような破壊力はありませんが、オカメインコもインコのはしくれ、色々なものをかじります。
これは悪いことをしているわけではなく、習性なので仕方がありません。怒っても仕方がないので、どうか怒らないでやってください。
かじられて困るものは放鳥する際に隠し、隠せないような大型のものは置かない、もしくはかじられても気にしない、あきらめるという心の広さが必要です。
特に、柱やドア、家具などはかじられることが多いです。

鳴き声が大きい

セキセイインコやブンチョウなど、小型の鳥から比べると鳴き声は大きいと言えます。
特に、飼い主を求めて呼ぶときの「呼び鳴き」の声は甲高く、「ピュイー!ピュイー!」という叫び声は、側で聞いているとちょっとした騒音レベルです。
ずっと鳴いているのでなければ隣近所に迷惑になるほどではないものの、家の中の住人は耳をふさぎたくなる時があるかもしれません。

飼い始める前のチェックポイント

ペットショップやブリーダーでお迎えする個体を選ぶときのチェックポイントを教えます。

季節を選ぶ

オカメインコの繁殖は、春と秋に行われます。
この季節にはペットショップやブリーダーにも、可愛らしい雛がたくさんいます。
季節外れに売られている個体もいますが、基本は暖かい季節に向かっていく時期の春の個体を選ぶと、生育の不安が少なくなります。

外見でチェック

1.くちばしのかみ合わせが正常
2.鼻水を出したり、涙目でないか
3.翼が落ちて、力がなかったりしないか
4.羽毛が嘔吐で汚れている、もしくはお尻が下痢で汚れてはいないか
5.指や爪がかけたり、歩き方がおかしくないか
6.がっしりしていて、よく食べているか

店員さんで判断

オカメインコに関して質問を投げかけ、どんなえさを食べて、どのように与えているのか、連れて帰ったらどうすればいいのか。購入しようとするお店に、細かいことでもきちんと答える姿勢のある定員さんがいることはとても重要です。鳥の知識があり、大切に扱っていることが分かるお店から買うのがおすすめです。

里親という選択

飼育を真剣に考えた時、信頼のおけるショップに足を運ぶのもよいのですが、すでに飼っている人から譲ってもらう、里親という選択肢もあります。
さまざまな理由で飼育を断念せざるを得なくなった飼い主さんが、ネットの掲示板などで里親を募集している場合がありますので、参考にしてみてください。
雛から育てることにこだわらない方はこのような方法で、愛鳥を探してみるのもよいでしょう。

飼うために必要な住環境

ケージを用意する

オカメインコを飼う際に、絶対に必要なものがケージです。
温室があったり、バードルームがあったり、放し飼いできるような環境がない限り、ケージは揃えたい住環境の最低条件になります。
鳥を閉じ込めるためのものではなく、安心して眠ることが出来、落ち着けるための家を用意してあげましょう。

HOEI(豊栄)から出ている465手のりシリーズは、大きさといい、安全性といい、手乗りのオカメにうってつけです。
我が家でも、オカメの飼育には信頼の置けるこのシリーズを長年愛用しています。

2018年5月には、465オカメステンレスが発売され、より丈夫でさびにくい、ステンレス仕様のケージが注目を集めています。
2羽で飼育する場合は、高さがより大きい、465ロングシリーズがおすすめです。

<1羽飼いの場合>
推奨の大きさ:縦50cm×横45cm×奥行き45cm以上

HOEI465 オカメ

<2羽飼いの場合>
推奨の大きさ:縦90cm×横45cm×奥行き45cm以上

HOEI 465ロング

ケージの備品

エサ入れ

エサを入れるための入れ物です。主食用の大きいものと、ボレー粉用の小さいものを用意すると良いでしょう。
基本的に、ケージの付属品を利用すればよいですが、半月エサ入れはボレー粉を入れたり、おやつを入れたり、使い勝手がよいので別に購入すると便利です。

主食を入れるエサ入れは、カバーがついていると、エサの飛び散り防止になります。
プラスチック製のものをすぐに割ってしまう個体もいるため、必要に応じて陶器製のものを利用するなどするとよいでしょう。

止まり木

止まり木はエサ入れの前に1本、後ろの上部分に1本の合計2本を設置するのが基本です。太さは18~20mmのものが市販されています。
自然木を使った止まり木や、ロープ製の止まり木もあります。
設置する際は、上段からフンを落としたときに下段の止まり木にかからないように注意しましょう。

自作の止まり木を作成するために自然木を使用するときは、鳥にとって有害な樹木でないかを確認し、安全性を第一に選ぶとよいでしょう。

市販品を購入する際も、信頼出来るメーカーから購入すると安心です。

おもちゃ(バードトイ)

バードトイとも呼ばれ、様々な種類があります。はしご状のものから、吊り下げ式の木や皮を使ったかじるためのおもちゃ、鏡を使ったおもちゃなどです。
気の小さいオカメインコは、カラフルなおもちゃを嫌うこともあるので、一度にたくさんあたえず、一つのおもちゃをカゴの側に置いて慣らしてから与えるようにします。
飽きてきたら次のおもちゃに取り替えるなど、気に入ったものを日替わり、週替わりなどでローテーションしてあげると、より楽しめます。

市販のバードトイは、安全性を確認されたものがほとんどですが、中には色落ちしたり、小さなパーツに分かれてしまうものだったり、粗悪な品が混ざっていることもあります。
安全性には十分に気を配り、ケージ内で暴れた際にぶつかって怪我を大きくしそうなものは、ケージ内にぶら下げないなどの配慮をするとよいでしょう。

ブランコやはしごはオカメが好むおもちゃの一つです。
つるせる場所さえあれば、ケージの中、外を問わずに遊ぶことが出来ます。

保温器具

保温はいつでもするものではありませんが、病気の時、冬場の寒さの厳しいときには必要となります。
元々、5~35℃程度の過酷な温度で暮らしているオカメインコですが、ペット用に品種改良された個体を、ワイルド個体と同じに考えるのは危険です。
成鳥になれば丈夫で買いやすいオカメインコも、はじめて冬を越すときや、室温が10度以下になるような環境であれば、保温器具を設置してあげた方が安心です。

部屋自体の温度をあげるのであれば、人間用のエアコンや空気を汚さない暖房器具で保温すればよいでしょう。ケージのみを保温するときは熱が逃げないようにカバーを作るなどの工夫をし、ひよこ電球などで保温するとよいでしょう。

温度調整が出来ないものには、必ずサーモスタットをつけ、加熱のしすぎにならないよう配慮することも大切です。
サーモスタットは一部のは虫類や熱帯魚用などではなく、小動物用のものを選びます。

ケージカバー

ケージに合わせて市販されているものもありますが、自作することも出来ます。縫うのが面倒であれば、遮光カーテンを買ってきて、かけるだけでもかまいません。
リビングにケージがあるなど、鳥の就寝時にも夜遅くまで人間が起きている場合には、健康管理のためにもカバーをかぶせて暗くしてあげましょう。
毎日決まった時間にカバーをかけてやると、生活のリズムが整い、健康的な生活を送ることができます。

先に紹介した、HOEI465シリーズは、おやすみカバーと呼ばれる遮光カバーを利用できる仕様になっています。
ただし、高さのあるロングケージには対応していないため、自作するなどの工夫が必要になるでしょう。

その他備品

移動用キャリー

旅行のとき、一緒にひなたぼっこをするとき、病院に連れて行くときなど、一時避難場所としてもキャリーは役に立ちます。
オカメは尾羽が長いため、それを考慮して奥行きのあるものを用意しておくのがおすすめです。ケージカバーも合わせて揃えておくと便利です。

文鳥などのフィンチから、オカメインコなどの中型インコまで広く使用できるキャリーケージ、ハートフルキャリーは丈夫で使い勝手が良く、カバーも付属しているセットが販売されていますので、おすすめです。

バードジム

一言で言えば「鳥のアスレチック」です。高価ですが売っていますし、市販のはしごなどを組み合わせて、自作で作ることも出来ます。
気に入ってもらえればそこで遊ぶため、フンの片付けが楽になりますし、何より、鳥が楽しく遊んでいるところを見るのは、とても心のなごむものです。

自作で造る際には、鳥にとって毒性のない樹木であるかを必ず確認しましょう。
市販品は、安全性に気を配って作られているものがほとんどです。

オカメインコをお迎えする

移動に際して

はじめてオカメインコを家に連れて帰るときは、移動中の温度管理に十分注意します。
暑い時期には心配いりませんが、まだ雛の子も、成鳥の子も、寒い時期には直接あたらないようにしたカイロを貼り付ける、湯たんぽを入れてやるなどして、保温に努めましょう。
また、寒くなくてもカバーをかけ、周囲が見えないようにしてやるなど、不要なストレスを与えないための配慮も大切です。

保温

家に連れてきたばかりの頃、気温が十分に高い時期であれば保温しなくても問題ありませんが、そうでない場合はケージ内の温度を十分にあげてやる必要があります。特に雛の場合は羽が生えそろっていないため、少しでも羽を膨らませて寒そうにしている様子が見られたら、ヒヨコ電球などで保温しましょう。温度の目安は雛の場合で27~30℃です。

網のケージでカバーがないと保温が不十分になるため、雛のうちは水槽などを利用するのも一つの手でしょう。
お迎え前の環境では、何度で管理されていたかを確認するのも忘れないようにします。

給餌(餌やり)

お迎え前に「何を」「どんなタイミングで」「どれだけ食べていたか」を必ず確認します。家に連れてきた後も、同様の環境を用意するようにしましょう。
オカメインコの雛は、大抵、フォーミュラなどの雛用エサをスプーンで与える方法で育てられています。
移動や環境の変わるストレスで食事を受け付けなくなる子もいますので、食生活を変えたいと考えている場合にも、お迎え後に徐々に慣らしていく方が無理がなくてよいでしょう。
お迎え前に限らず、移動を行う時は、事前にエサをたっぷり食べさせてやると安心です。

獣医師などからも推奨されている雛用のパウダーフードのメーカーは海外製が多いですが、近年は国産のパウダーフードも何種類か販売されはじめています。海外のものに比べて安価で、ホームセンターなどで見つけることも多くなってきたため、手に入りやすくなってはいます。
ただ、まだ歴史が浅いため、海外の従来品と比べて、何が優れていて劣っているか判断出来る材料は多くありません。

環境

はじめて家に連れてきたばかりのときは、ついついかまいたくなって、触りたくなるものです。しかし移動と新しい環境がすでにストレスとなっている中で、まだよく知らないあなたに耐えずかまわれることは、オカメインコにとって好ましいことではありません。

挿し餌(さしえ)で育てられている雛は、すでに人の手に対して抵抗がありませんから、丸1日~2日もすればあなたの手にとまったり、頭をなでてもらおうとするようになるでしょう。
最初から無理になれさせようとせず、静かな環境で穏やかに話しかけてあげるなどして、少しずつ信頼関係を築いていくことが大切です。

体重測定

健康診断に連れて行くのが理想ですが、家でも体重を計っておくと健康管理に大変役立ちます。連れてきたばかりの頃が何gなのかを知っておくのはもちろん、エサを食べたあと、朝起きてすぐ、就寝前などに分けて計り、ある程度の傾向が分かれば、決まった時間に計るようにするなどして、記録しておくとよいでしょう。

アナログのものでもかまいませんが、1g単位で計れる、キッチンスケールなどがおすすめです。

おわりに

オカメインコは、数多い飼い鳥の中でも大変に魅力にあふれたコンパニオンバードです。
優しくておとなしい性質、喜怒哀楽の表現の素晴らしさは、飼育の手間をかけるだけの価値があるものです。とはいえ、思いつきで飼ってしまうと、後々「こんなはすじゃなかった…」と思うことが出てこないとは限りません。
あらかじめ正しい知識を持ち、飼い主と飼い鳥がお互いに思い合って暮らしていけるような環境を保っていくことが、幸せなオカメインコの飼育に繋がっていくことでしょう。

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鳥の飼育アドバイザー/鳥オタク歴30年

鳥飼 学

さまざまな鳥の飼育に携わって30年。現在は北海道で鳥やガーデニング専門のライターとして活動中。畑仕事と3人の子の育児に追われる中、ニワトリ、オカメインコ、キンカチョウ、セキセイインコ、文鳥…その他生き物と愉快に暮らしている。
野鳥の保護から一般的な飼育に関することまで、鳥オタクを極めるために日々精進中。
近年、自宅でダチョウを飼えないか本気で検討している。

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