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「ホウレンソウ」ってなに?!やさしい内部統制と「報・連・相」

教育研究家/元銀行員

岡 幸司

国内・海外の業務経験豊富な元銀行員。大手金融機関で法人及び個人向け融資業務を20年担当。内部監査部門で仕事した経験もあり、企業の内部統制には…

はじめに

「報・連・相(ホウ・レン・ソウ)」は「報告」、「連絡」、「相談」の最初の漢字を使った略語で、「ほうれん草」にかけて、馴染みやすく、覚えやすくしたキーワードです。

私が社会人になった30年以上も前から「報・連・相」という言葉は、盛んに使われていました。今では、「報・連・相」に関する本もたくさん出版されています。これほどビジネスで注目を浴びている言葉はありません。

ところで、あなたは「報・連・相」が、どうして重要なのかわかりますか?あなたは、部下から、どうして「報・連・相」が重要なのかを聞かれて、その理由を明確に答えられますか?

それは「報・連・相」が企業の内部統制を機能させるうえで重要な役割を担っているからです。内部統制とは、一言でいえば、組織が健全に機能するための基準や手続きなどを定めて、その基準や手続きに則った業務の管理・運営をすることを言います。

私は、大手金融機関で内部監査の仕事をしていました。内部監査とは、ビジネスを執行する部門から独立して、企業の内部統制が機能しているかどうか検証を行う業務です。

内部監査の立場から内部統制をみると、「報・連・相」は非常に重要な役割を担っていることが理解できます。上司も、部下も「報・連・相」を正しく理解して、業務に臨めば、会社の内部統制は強化され、職場もよりよいものになります。

これから、内部統制からみた「報・連・相」がどういう意味を持つかお話します。「報・連・相」を正しく理解して、その技能を向上させましょう!

目次

  1. 1. 「報・連・相」はどうして重要なのか?
  2. 2.内部統制の目的とメリット
  3. 3.内部統制が達成すべき目的
  4. 4.内部統制の6つの構成要素
  5. 5.「報・連・相」は内部統制の根幹
  6. 6.おわりに

1. 「報・連・相」はどうして重要なのか?

「報・連・相」が何なのか?「報・連・相」を上手に行うことが、なぜ重要なのか?本当に理解している人は多くないと思います。

ここでは、そもそも「報・連・相」が何なのか?どうして重要なのかを考えてみたいと思います。

「報・連・相」とはなにか

報・連・相」を、一言で言えば、職場での情報の伝達方法です。「報告」、「連絡」、「相談」の3つをまとめてこう言います。「ほうれん草」にかけて、馴染みやすく、覚えやすくしたキーワードであることは上述した通りです。

報告」とは、部下が上司に対して、発生した事実や問題、上司から受けた指示や任務について状況や途中経過・結果等を伝達することです。報告する相手は上司になります。伝達するものは、「発生した事実・問題」、「任務の途中経過・結果」に関する情報です。また、報告の目的は、伝達した情報に対して上司の判断を求め、上司から指示・命令を受けることです。

連絡」は、関係者に関連情報などを知らせることです。「連絡」する相手は、知らせる情報の関係者です。報告の主たる目的は、関係者間の情報共有です。

報告・連絡いずれの場合でも、報告者・伝達者の「主観」、「感想」、「私見」は主たる対象になっていません。したがって、いずれにおいても事実と主観等を明確に区別する必要があります。

相談」とは、仕事への取組方法などに関して話し合ったり、他人の意見を聞いたりすることです。上司に意見を聞く場合のほか、同僚に意見を聞くことも含まれます。担当者が、どう仕事(任務)を進めたらいいかわからない場合などに、上司や同僚などに参考意見・アドバイスを求めることが相談の目的です。上司の判断・指示を求める「協議」も相談の一種です。

なお、相談で伝達する情報には、相談者の考え方や主観が含まれる場合があります。

具体例で考えてみましょう。総務部の課長(上司)が担当者(部下)に、購入した社用車に保険を付保するよう指示する場合を例にとってみましょう。業務フローは以下の通りとなります。

担当者は、保険会社A社、B社、C社の3社から自動車保険の見積もりをとります。保険料のほか、商品性の違いや条件が記載された見積もり書等を検討した結果を上司に「報告」して、どれを選択するのか判断を求めます。

その結果、A社の自動車保険に加入することになりました。加入の申し込みをして保険証券を受け取ると、上司に対して業務が完了した旨の「報告」をします。そして、その社用車を運転する職員(関係者)に対して自動車保険に加入したことと事故が起こった場合の対応などについて「連絡」します。関係者への連絡が完了した旨、上司に再度「報告」します。

もし、担当者が、保険の見積もりをとるときに、どの保険会社に依頼したらいいのか、何社から見積もりをとるべきか、わからない場合は、指示を出した上司や同僚に「相談」します。

実際の場面を想像してみると、何度も「報・連・相」のタイミングがあるのがわかりますね。

【ポイント】
〇「報・連・相」は、職場での情報の伝達方法

〇定義

伝達方法内 容
報 告部下が上司に対して、発生した事実・問題や上司から受けた指示・任務について取り組んだ途中経過・結果等を伝達すること
連 絡関係者に関連する情報などを知らせること。通常、伝達する情報には、自分の意見や推測が含まれていない。
相 談仕事への取組方法等に関して話し合ったり、他人の意見を聞いたりすること。主として、自分だけで判断が困難なとき上司に意見を聞く場合のほか、同僚に意見を聞くことも含まれる。

「報・連・相」の違い

それでは、「報・連・相」の違いを詳しく見てみましょう。

報告」は、指示された業務の経過や結果を上司に伝達するものです。この場合、職場の業務ライン(指揮命令系統)の「タテ」の方向に情報が伝達されます。

連絡」は、これに対して、業務ライン外の関係者との「ヨコ」の関係にも展開されます。たとえば、先ほどの事例で、自分の所属する業務ラインで意思決定がなされた結果を関係する人や部署に伝達するような場合です。なお、「通知」とか「お知らせ」も連絡の一種です。

一方、「相談」の場合、先輩・同僚に意見を求める場合であれば、「ヨコ」の関係で相談が行われます。何らかの意思決定を伴う場合は、指揮命令系統の「タテ」の関係で相談が実施され、「協議」と言われたりもします。

また、業務ラインで所管事項に関して意思決定をする前に、他部署の意見を聞く場合もあります。この場合も相談の一種で「すり合わせ」などと言われ、「ヨコ」の関係で実施されます。

「報・連・相」が、それぞれ、どう違うのか理解されていないことが意外に多く、その違いを理解するだけでも、あなたの「報・連・相」は、ずっとよくなります。

【ポイント】
〇「報告」
・主に業務ライン内のタテの関係に情報が伝達される。
〇「連絡」
・主に業務ライン外のヨコの関係に情報が伝達される。
〇「相談」
・業務ライン内外のタテ・ヨコで実施される。

「報・連・相」と内部統制

「報・連・相」は、内部統制の観点から考えると、情報の伝達(組織内のコミュニケーション)そのものです。いわば組織内の神経回路に相当します。

内部統制」とは、一言でいえば、組織が健全に機能するための基準や手続きなどを定めて、その基準や手続きに則った業務の管理・運営をすることでした。

会社では、複数の人からなるチームで仕事をしています。会社は、効率よくモノやサービスを提供するために、分業して仕事の効率を上げようとします。

複数の人々が役割分担をして仕事をする職場では、情報の伝達・コミュニケーションは非常に大切です。最近では、企業内で外国人が働いていることも多くなりました。そういう組織では、単に言葉の問題だけではなく、情報を正確に、タイムリーに伝えるために、職場のコミュニケーションを向上させることは切実な問題と言えます。

組織の現場には、必ずグループを取りまとめるリーダーがいます。多くの場合、課長、部長などの役職についている人です。リーダーはグループ内のメンバーに仕事や役割を割り振ります。

また、リーダーは、メンバーに割り振った仕事をグループの目的が遂行できるように統括(とりまとめ)します。もし、メンバーが好き勝手に仕事をしたら、グループは仕事の目的を達成することはできません。

また、それぞれのメンバーが何を考えているのかわからなければ、上司であるリーダーは仕事の状況判断ができないし、指示を正確に出せません。その結果、組織の目的に合った仕事を遂行することはできなくなります。

このため、上司は部下からの「報・連・相」を通して、指示した仕事の処理状況を把握して、意見をメンバーに求めることになります。

【ポイント】
〇「報・連・相」
・内部統制からみると、情報の伝達態勢(組織内コミュニケーション)。
・組織内の神経回路に相当。

リーダーシップとフォロワーシップ

ところで、「フォロワーシップ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?「リーダーシップ」は馴染みのある言葉ですが、「フォロワーシップ」となると聞いたことのある方は少ないかもしれません。

リーダー」とは、組織やチームメンバーを牽引して、組織やチームの目的を達成させる役割を与えられた人のことをいいます。「リーダーシップ」は「統率力」のことで、目標を設定して組織をその方向へ導いていく能力のことです。

フォロワー」とは、リーダーに仕え、組織やチームの目的の達成をサポートする部下やチームメンバーのことです。「フォロワーシップ」とは、リーダーの示した方針や指示に従って、具体的な行動を通して、組織の目的を達成させる能力のことを言います。

実は、組織に属する人の多くが、リーダーであり、同時にフォロワーでもあります。例えば、課長は、課員からするとリーダーです。一方、部長に対してはフォロワーとなります。

ひとつの課の中にも、少数の若手社員をとりまとめる中堅社員がいます。こういった職員も若手社員にとってはリーダーで、課長に対してはフォロワーになります。

このため、組織の中では、リーダーシップとフォロワーシップの両方を上手に実践していかなければなりません。特に、フォロワーシップを上手に実践するための方法が「報・連・相」なのです。

【ポイント】
〇「リーダーシップ」
・目標を設定して組織をその方向へ導いていく能力
〇「フォロワーシップ」
・リーダーの示した方針や指示に従って、具体的な行動を通して組織の目的を達成させる能力
・フォロワーシップを上手に実践するための方法が「報・連・相」

「報・連・相」とフォロワーシップ

リーダーとフォロワーの信頼関係の基礎となるのが「報・連・相」です。

フォロワーには、リーダーの指示に従って成果を上げるだけでなく、意見を述べたり、リーダーの誤りを正すことも期待されています。このため、フォロワーには、組織・集団の目的に対する達成意欲とともに、リーダーとの信頼関係の醸成が必要となります。

また、内部統制の強化には「報・連・相」のスキル向上は欠かせません。

たとえば、報告をタイミングよく行えば、報告した時点で上司が間違えや変更点を指摘して、軌道修正をすることが出来ます。他部署に関係する事項の連絡を怠ると大変なことになりますが、報告をしていれば、上司がこういった連絡や仕事上のヌケ・モレを確認もしてくれます。

また、自分で解決できない問題や上司の判断を必要とする事項に関しては、すみやかに、上司や関係者と相談しなければなりません。そうすれば、問題の芽を早期に摘み取り、業務が停滞することを予防できるからです。

「報・連・相」のスキル向上は、内部統制を強化するうえで不可欠なのです。なぜならば、適切な「報・連・相」は、業務を有効かつ効率的に機能させるからです。

フォロワーとして「報・連・相」が上手にできれば、リーダーからの信頼を得られ、組織目的を有効かつ効率よく達成することができます。これは内部統制の目的と一致します。

【ポイント】
〇「報・連・相」
・リーダーとフォロワーとの信頼関係の基礎
・フォロワーとして必要なスキル
・内部統制の強化にも「報・連・相」のスキル向上は不可欠。

2.内部統制の目的とメリット

これから、企業の内部統制とって、なぜ「報・連・相」が重要なのか、考えていきます。

その前に、内部統制の目的とそれを向上させるメリットについて見てみましょう。

「内部統制」とはなにか?

改めて、内部統制とは、組織が健全に機能し、経営目的を円滑に達成するための基準や手続きなどを定めて、その管理・運営をすることを言います。

また、内部統制とは、社員全員が守らなければならないルールや仕組みに基づいて、企業の目的にかなうよう日常の業務を管理・運営することでもあります。

内部統制は、経営理念や企業風土といったものから、書類の承認・決裁に関する日常業務執行のルールまで、会社内のほとんどの業務に及んでいます。

【ポイント】
〇「内部統制
・組織が健全に機能し、経営目的を円滑に達成するための基準や手続きなどを定めて、その管理・運営をすること。

内部統制の目的

内部統制の目的は、「業務の有効性及び効率性」、「財務報告の信頼性」、「事業活動に関わる法令などの遵守」並びに「資産の保全」の4つと言われます。組織を健全に機能させることで、企業の経営目的を円滑に達成するために必要なのが内部統制です。その内部統制により実現する目的が上記の4つになります。

企業活動においては、経営目的の円滑な達成のために有効で効率的な業務が行われる必要があります。すなわち、「業務の有効性及び効率性」の実現が必要になります。

また、企業は、利害関係者に対して正しい財務報告書・財務情報を提供する必要があります。すなわち、「財務報告の信頼性」を確保する必要があります。

さらに、企業活動は「それに関わる法令などを遵守」したものである必要があることは当然です。

くわえて、企業の保有する資産は、正当な手続きや承認を経て、取得・利用・処分されて、価値を維持する必要があります。すなわち「資産の保全」が必要です。

これらの4つの目的を達成するために、業務に組み込まれて、業務を統制(コントロール)している仕組みが内部統制であることになります。

【 ポイント】
〇内部統制の目的

内部統制の目的具体的なポイント
業務の有効性と効率性の実現時間、人、モノ、コストの活用が有効かつ効率的だったか
財務報告の信頼性の確保決算書が適切に作成されるよう、財務情報の信頼性が確保されているか
関連法規の遵守(コンプライアンス)法令、企業モラルなど守るべきルールが遵守できているか
資産の保全資産の取得、使用、処分が正当な手続き・承認の下で行われているか

内部統制を向上させるメリット

内部統制」という言葉は、英語の "Internal Control" を訳した言葉です。日本語で「内部統制」というと、「命令」、「規制」、「管理」などの固い言葉が連想され、馴染みにくいイメージがあります。

しかし、内部統制により、多くのメリットがもたらされます。

内部統制が向上することによって、経営者にとっても社員にとっても、会社が理想の組織に近づき、働きやすい職場になります。

すなわち、内部統制の向上により、不正が発生する原因となる環境を取り除くだけでなく、 業務上のミスの発生を事前に防止できます。たとえ、ミスなどが発生してしまったとしても、それに速やかに対処することができる態勢を構築することができます。

さらに、各自の責任・権限の範囲が明確になり、業務プロセスも明確になります。

【ポイント】
〇内部統制を向上させるメリット
・理想の組織に近づける
・不正・ミスの防止
・責任・権限の明確化
・業務プロセスの明確化、など

3.内部統制が達成すべき目的

内部統制は、「業務の有効性と効率性」が実現され、「財務報告の信頼性」が確保され、さらに、「事業活動に関わる法令などが遵守」され、かつ利益を生み出す会社の「資産が保全」されていることで、組織を健全に機能させる役割があります。また、内部統制により組織が健全に機能していることを利害関係者に合理的に説明する役割もあります。

それでは、内部統制の4つの目的をもう少し詳しく説明してみましょう。

業務の有効性と効率性

企業は、事業活動の目的を達成するために、より有効かつ効率的な方法で業務を遂行していかなければなりません。

たとえば、より有効な方法で仕事を遂行するには、顧客情報のデータベース化、費用対効果の向上、製品情報の共有化などが挙げられます。

また、より効率的に仕事を遂行するには、業務プロセスの短縮、コストの削減、従業員の意識改革などをする必要があります。

内部統制の強化により、社内の管理が厳しくなったり、手続きが多くなったりします。その結果、手間が増え、業務の効率性は逆に落ちるのではないかと感じる方がいるかもしれません。

しかし、中長期的には、内部統制は事業活動の透明性・安全性の確保、業務の標準化につながり、業務の有効性・効率性をより高めることになります。

たとえば、社員の個人的なノウハウや勘と経験に頼ってきた業務をマニュアル化することにより、単独で行っていた業務を分掌して、相互に業務をチェックしたうえで、組織全体を効率よく機能させることが可能となります。

【ポイント】
〇業務の有効性と効率性(内部統制の目的 その1)
・企業が、その事業活動の目的を円滑に達成するために、より有効かつ効率的な方法で業務を遂行できるようにする。

財務報告書の信頼性

企業は、投資家や銀行などの利害関係者に対して、正しい財務報告書・財務情報を提供する必要があります。また、財務報告書及び財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある情報を正確に開示することが信頼性を確保することにつながります。

企業の財務情報は、投資家や株主、銀行などが企業の活動状況や業績を判断する上で、非常に重要です。

この財務情報をもとに、投資家や銀行は、どのくらいの投資をするか、どのくらいの融資をするかを決定します。

もしも、企業の決算書や有価証券報告書などの財務情報に虚偽の記載があれば、投資家や銀行は投資判断や融資判断を誤り、多大な損失を被る恐れがあります。

逆に、財務情報が正確であることを保証できれば、企業の財務情報の信頼性を向上させることができます。その結果、投資家や銀行から資金を調達することが容易になります。

最近の大きなニュースで、ルノー・日産自動車・三菱自動車3社の会長を兼務し、カリスマ経営者として知られたカルロス・ゴーン氏が金融商品取引法違反の疑いで逮捕されました。

ゴーン容疑者は、2011年3月期から2015年3月期における報酬が100億円近くであったにもかかわらず、49億円余りと過少に記載した有価証券報告書を提出していました。報酬の過少記載以外にも様々な不正が疑われています。

この事件は、日産自動車の財務報告書の信頼性を失墜させる結果を招きました。

【ポイント】
〇財務報告書の信頼性(内部統制の目的 その2)
・企業が、その事業活動の目的を達成するために、投資家や銀行などの利害関係者に対して、正しい財務報告書・財務情報を提供する。

法令遵守(コンプライアンス)

「法令遵守」とは、事業活動に関わる法令などを企業が遵守することです。コンプライアンスと同義です。

企業の活動は、関係する法令などを遵守したものである必要があります。具体的には、法律や規則といった法令を守るだけでなく、 社会的規範や企業倫理、企業が独自に設けたスタンダードやルールを守ることまで含まれます。

最近、英国で日本航空の副操縦士が逮捕された事件がありました。

この副操縦士は、ヒースロー発羽田行きの旅客機に搭乗予定でしたが、定められた基準値の約10倍のアルコールが検出され逮捕されました。

パイロットを送迎するバスの運転手が酒の匂いに気づき通報したそうですが、 社内ルールでパイロットは搭乗前にアルコールのチェックなどを受けているはずです。

どうやら社内に何らかの不正や規律の緩みがあり、チェックをパスしていたようです。社内の相互チェック体制などの内部統制が十分に機能していなかった事例であり、利用者や投資家の信頼を裏切る結果となりました。

企業が目先の利益追求に目を向け、法令遵守をないがしろにするようなことがあれば経営破綻を招くことさえあります。このため、「法令遵守」では、単に仕組みをつくるだけではなく、経営者が自ら率先して、法令などを遵守する姿勢を示し、遵守すべき法令・ルール・規範などを社内研修・勉強会などを通じて社員に徹底することが重要です。

【ポイント】
〇法令遵守(内部統制の目的 その3)
・企業が、その事業活動の目的を達成するにあたり、その事業活動が関係する法令などを遵守すること。

資産の保全

「資産の保全」とは、会社内の適切な手続きや承認を経て、資産が取得・利用・処分されることにより、会社の資産の価値を維持することです。

企業は、株主からの出資金や銀行からの借入金で資産を購入します。そして資産を活用することによって事業活動を行い、利益を生み出します。資産は会社の利益の源泉です。

資産には、工場設備、事務所など目に見える資産だけではなく、アイデアやノウハウ、営業秘密、特許のような知的財産など目に見えない資産も存在します。また、社員も重要な資産に含まれます。

企業が、資産を取得(入手・採用)、利用(運用・異動)、処分(廃棄・解職)する過程で、適切な手続きや承認の仕組みが整備・運用されていくことが資産を保全するために必要なこととなります。すべての資産を適正に管理し、有効活用することは、企業の競争力を高め、利益を極大化します。

日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者は、私的な投資の損失を日産に付け替え、約16億円を流出させたとして、昨年12月に特別背任容疑で再逮捕されています。

これは、リーマン・ショックの影響により、自身の資産管理会社のデリバティブ(金融派生商品)取引で約18億5千万円の損失が生じたため、銀行への信用保証に協力したサウジアラビア人の知人に日産子会社から約16億円相当を支払わせ損害を与えたとされています。

このケースでは、会社の資産(子会社の現金)を処分する際に、正当な手続きと承認を経て資産が処分されたのかが疑われます。正当な手続きが欠如しているか、適正な手続きと承認を経ていないことが推測されます。そうでなければ、社内手続きのどこかでチェックが入り、このような不正は起こらないはずです。日産自動車では、資産の保全に関する適正な内部統制が一部形骸化していたことが疑われます。

【ポイント】
〇資産の保全(内部統制の目的 その4)
・企業が、その事業活動の目的を達成するために、社内の適切な手続きや承認を経て、資産が取得・利用・処分され、会社の資産の価値を維持すること。

4.内部統制の6つの構成要素

実は、これまで説明してきた内部統制に関することは、内部統制のフレームワーク(枠組み)としてCOSOにより採用されているものです。

COSOとは、トレッドウェイ委員会支援組織委員会(The Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission)のことです。1985年、米国公認会計士協会の働きかけで、産学共同組織のトレッドウェイ委員会が発足し、1992年、同委員会は報告書で内部統制のガイドラインを公表しています。

COSOの内部統制のフレームワークは、主要国の監査基準にも採用されており、これをベースに内部統制の枠組みが国際的に構築されています。

フレームワークでは、内部統制は4つの目的を合理的に保証するために、経営者と従業員によって遂行されるプロセスとされています。「4つの目的を合理的に保障する」という表現は少々判りづらいのですが、「4つの目的を実現する」と理解していただければいいかと思います。

また、内部統制は、「統制環境(社内風土・社風)」、「リスクの評価と対応(リスク・マネンジメント)」、「統制活動(業務の運営管理)」、「情報と伝達(情報管理・伝達態勢)」、「モニタリング(内部統制の検証・評価)」、「ITへの対応(ITの利用・統制)」の6つの要素で構成されています。そのままでは、わかりずらいので、カッコ内に理解しやすい表現を補記しています。

有効な内部統制では、6つの構成要素が相互影響しあって、効果的に機能している必要があります。

以下でそれぞれの構成要素を見てみましょう。

統制環境(社内風土・社風)

統制環境とは、一言でいえば、社内風土・社風のことです。たとえば、「法律を守ろう」「不正経理は絶対にしない」など内部統制の目的を達成しようとする会社内の雰囲気・風土や社風のことです。

組織の気風を決定し、社員の業務に取り組む意識に影響を与えるものです。統制環境は、他の構成要素のベースになるもので、「リスクの評価と対応」、「統制活動」、「情報と伝達」、「モニタリング」及び「ITへの対応」の内部統制の要素に影響します。

しかし、適切な内部統制を整備しても、運用する経営者や社員が、ルールや制度を守ろうとしなければ、全く機能しません。会社全体に、ルールや制度を守ろうとする意識が浸透することが必要不可欠で、経営者の意向と姿勢が統制環境にとって重要となります。

日産自動車のカルロス・ゴーン容疑者の不正事件を例にとると、経営者自らが金融商品取引法に違反した行為やその他の不正を行っていたわけですから、日産自動車内部の統制環境は望ましいいものではなかったと推測されます。

日産自動車は、今年の7月にも、日産自動車九州を除く国内5工場で、完成車抜き取り検査の排出ガス・燃費測定試験において、測定値改ざん等の不適切行為があったことを明らかにしています。

2017年9月にも、日産自動車では無資格者による完成車の検査問題が発覚し、その再発防止策を策定する一環で、全業務の法令遵守状況の確認を行っていました。そのなかで、排出ガス・燃費測定試験を行う際に、試験環境を逸脱した試験を行っていた車両が690台、測定値を書き換えて検査報告書を作成していた車両が913台あったことが判明しています。

日産自動車の度重なる不正の報道をみると、適切な内部統制の仕組みがあっても、経営者や社員が、ルールや制度を守ろうとしなければ、全く機能しないことがわかるでしょう。残念ながら、日産自動車には、健全な統制環境がなかったものと思います。

【ポイント】
〇統制環境(内部統制の構成要素その1)
・「統制環境」は、内部統制の目的を達成しようとする会社内の雰囲気・風土や社風のこと。
・組織の気風を決定し、社員の業務に取り組む意識に影響を与える。

リスクの評価と対応(リスク・マネジメント)

リスクを識別、 分析及び評価し、適切な対応を行う一連のプロセスを「リスクの評価と対応」といいます。リスクとは、経営目標の達成を阻害する要因すべてをいいます。

事業に関係するリスクを適切にコントロールするためのプロセスをリスクマネジメントと言います。リスクマネンジメントは、内部統制におけるリスクの評価と対応のプロセスと同じです。

企業は、自社の事業環境を取り巻くさまざまなリスクについて、適時かつ的確に把握する必要があります。そのうえで、そのリスクが顕在化して問題が現実に起こらないように事前に対策を考えます。また、リスクが現実となった場合には、速やかに対策を講じなければなりません。

事業を遂行していく際に発生するリスクは2つに分けられます。企業の内部で発生するリスクと外部の要因で発生するリスクです。いずれのリスクに対しても、まずはリスクの内容と発生原因を洗い出します。洗い出したリスクは、 顕在化する可能性が高いかどうか、事業活動に与える影響の大きいかどうかの観点から評価します。

評価した結果から、優先順位を付けます。優先順位の高いものから対応策を検討していきます。リスクへの対応策は、大きく分類して次の表の4つに分かれます。

方針リスク対応の具体例
受 容・特別な策を設けずあえてリスクを受け入れる ・天災による被害を受容し立地条件を決定する
回 避・リスクそのものを避けて通る・事業から撤退
低 減・リスクが発生する確率を減らす・リスク発生時の損失・被害を減らす・情報セキュリティを高め、情報の漏洩リスクを低減させる
移 転・リスクを社外に移す・火災保険に加入・アウトソーシング

2011年3月に発生した東日本大震災では、震度7の大きな地震のあとに巨大な津波が東北地方や関東北部の沿岸部を襲いました。

東日本大震災では,津波により建物やライフライン等に壊滅的な被害が発生し、今までの災害対策では十分に対応できないことが明らかになりました。このため、津波のリスクを再評価して、企業の防災対策として、生産設備を内陸部に移転させるなど対策がとられました。

【ポイント】
〇リスクの評価と対応(内部統制の構成要素 その2)
・「リスクの評価と対応」は、経営目標の達成を阻害する要因(リスク)を識別、 分析及び評価し、適切な対応を行う一連のプロセス。
・リスクマネンジメントと同じ。

統制活動(業務の運営管理)

統制活動とは、経営者の命令及び指示が適切に実行されるように、定められた方針および手続きに基づき業務を運営管理することをいいます。

統制活動には、権限及び職責の付与、職務の分掌等の広範な方針及び手続きが含まれます。このような方針及び手続きは、業務プロセスに組み込まれ、組織内の全ての者において遂行されることにより機能します。

企業内のすべての社員が、企業内の取り決めを正しく守り、業務を遂行することを求めているのが統制活動です。統制活動では、以下のようなポイントを押さえて行うと高い効果が期待されます。

項 目具体的な効果
職務の分掌(複数の社員で業務を分担)・不正な処理の防止 ・ミスの防止
上司による承認(多重チェック)・ミスの早期発見 ・不正の防止
組織の分割、権限・職責の委譲・報告、チェック、指示が円滑に行われる仕組み

作年の12月に起きた札幌ガス爆発事故を、内部統制の観点から見てみましょう。

この爆発事故では、建物は粉々に倒壊、42名が怪我をする大惨事となりました。事故原因は、不動産仲介会社アパマンショップの従業員が、室内で消臭スプレー約120本を噴射し、その後、湯沸かし器を点火した際に引火、爆発したものと判明しています。

アパマンでは、賃貸契約を結ぶ際に、消臭・抗菌代などをつけるようノルマが課されていたということです。店舗スタッフが消臭スプレーを噴霧し、スプレー缶1本につき1万円を顧客に請求していたようです。

しかし、実際には消臭スプレーを噴霧することなく店舗の在庫となっていました。

消臭スプレーについて適正な在庫数かどうか点検管理(統制活動)を行っていれば、過剰な在庫に気づき、適切な対応をとることができたと思われます。十分な統制活動が行われていたら今回の事故は防ぐことができました。

一方、消臭処理をしていないにもかかわらず、代金だけお客様に請求することを容認する社内の風土があった可能性もあります。その場合は、統制環境(社内風土)に、そもそも問題があったことになります。ルールを守る意識が社内になく、統制活動(点検管理)が形骸化していたことが疑われます。

【ポイント】
〇統制活動(内部統制の構成要素その3)
・「統制活動」は、経営者の命令及び指示が適切に実行されるように、定められた方針および手続きに基づき業務を運営管理することです。

情報と伝達(情報管理・伝達態勢=「報・連・相」)

「情報と伝達」は、必要な情報が判別・把握されて適切に関係者へ伝達される態勢を確保することです。その根幹をなしているのが、「報・連・相」です。

企業活動が適正に行われるには、必要な情報が識別、把握されて社内で適正に処理され、組織内外の関係者に正しく伝えられる必要があります。

社内外の情報を正確に把握し、活用を図ることが出来なければ、業務目標を達成させることが困難となります。したがって、情報の管理・伝達は、企業にとっては重要な施策となります。

情報は、以下の観点から管理運営することが必要です。

・権限に合わせて業務遂行に必要な情報だけ入手が可能にすること
・最新の、正確で、信頼できる情報を入手すること
・業務に必要かつ適切な情報を活用すること

また、情報の伝達には、内部伝達と外部伝達があります。

内部伝達では、下記のようなポイントに注意が必要です。

・経営者の意思や指示、命令が全ての社員に迅速に伝達される環境、仕組み、ルールが構築されていること
・正確で信頼できる情報が速やかに必要とする社員に伝達されること
・経営者に向けて社員の声を伝達できる仕組みがあること

経営者の意思が正確かつ迅速に伝わることで、業務の実効性と効率性が向上します。また、経営者へ社員の声を伝達できる仕組みがあることで、事業活動の正確な把握、不正の早期発見に繋がります。

「報・連・相」を適切に行うことが、「情報と伝達」を機能させる重要なポイントだとわかります。

外部伝達は、企業の広報活動やプレスリリースなどが該当します。投資家や消費者など情報を受け取る側のニーズに合致した正確な情報を発信することが重要です。これにより、外部からの信頼を得たうえで、正直な反応、反響、苦情など、貴重な情報を受け取ることが可能となります。

【ポイント】
〇情報と伝達(内部統制の構成要素その4)
・「情報と伝達」は、企業活動が適正に行われるには、必要な情報が識別、把握されて社内で適正に処理され、組織内外の関係者に正しく伝えることです。
・「報・連・相」は、その基本的な部分を構成します。

モニタリング(内部統制の検証評価)

モニタリング(内部統制の検証評価)とは、内部統制が有効に機能していることを継続的に評価するプロセスです。

モニタリングにより、内部統制は常に検証・評価され、必要に応じて是正されることになります。モニタリングには、業務に組み込まれて行われる日常的モニタリングと業務と独立した視点から実施される独立的モニタリングがあります。

内部統制が有効に機能し、効率的に運用されているかの確認をするとともに、さまざまな施策はより良い施策に改善していく必要があります。また、時間の経過、環境の変化などにより、新たな施策の追加や是正が必要となることもあります。そのためには、日々の業務を継続的にチェックして評価することが大切です。

日常的モニタリングは、業務の過程で、その業務に携わっている担当者や管理責任者によって行われるモニタリングです。日常的モニタリングでは、内部統制が有効に機能しているかを中心に、上司が部下の業務日報を毎日チェックするなど、日常業務の一部として取り込むことが大切です。

日常的モニタリングは通常業務に取り込まれているため、業務を良く知る社員によって、内部統制の有効性をリアルタイムでチェックすることができ、問題点に対しても迅速に対応できることが利点となります。

一方、独立的モニタリングは、業務と関わりのない外部の視点から内部統制の有効性と効率性をチェックするモニタリングです。日常的モニタリングは、業務の一環として行っているがゆえに評価が甘くなってしまい、問題点を見逃してしまうことがあります。

独立的モニタリングは、日常的モニタリングで見逃されている問題点をチェックするだけでなく、日常的モニタリングの有効性や効率性を評価する側面もあります。また、会社内の他の支店や部署など、外部のレベルと相対的に比較した評価が可能であるなどの利点もあります。内部監査がこの役割を担っています。

【ポイント】
〇モニタリング(内部統制の構成要素 その5)
・「モニタリング」とは、内部統制が有効に機能していることを継続的に検証・評価して、必要な是正をするプロセスです。

ITへの対応(ITの利用・統制)

「ITへの対応」とは、経営目的を達成するために予め適切な方針及び手続きを定め、企業内外のITの取り扱い関して適切に対応することをいいます。

ITへの対応は、他の内部統制の基本的要素と必ずしも独立に存在するものではありません。しかし、業務内容がITに大きく依存している場合や組織の情報システムがITを高度に取り入れている場合には、 内部統制の目的を達成するために不可欠な要素となります。

企業の事業活動において、ITの活用はいまや不可欠の要素となっています。業務を効率的にかつ正確に処理するため、販売管理システム、経理・会計システムなどは広く活用されています。今後、その重要度はさらに高まっていくのは間違いありません。

また、市場動向、業界動向などに合わせたIT環境への対応は、事業活動において重要な要素となります。中長期的な戦略の中で、適切な利用、ネットワーク化、セキュリティ対策レベルの向上などのIT環境の整備が求められています。

ITの利用は、経営目的を達成するために、他の5つの基本的要素を有効に機能させる要素であり、必ずしも独立して存在している構成要素ではありません。ITが活用されると、情報の伝達が素早く行われ、誤入力などのミスの発見、未然防止にも効果を発揮します。また、過去のログを蓄積することによって、 過去の調査をすることや、手順などの標準化が速やかに行えます。

このように適切なITの活用は、内部統制の基本的要素の有効性を高めることにつながります。

【ポイント】
〇ITへの対応(内部統制の構成要素 その6)
・「ITへの対応」は、経営目的を達成するために、予め方針及び手続きを定め、企業のITの取り扱い関して適切に対応すること。
・業務内容がITに大きく依存している場合や組織の情報システムがITを高度に取り入れている場合には、内部統制の目的を達成するために不可欠な要素。

5.「報・連・相」は内部統制の根幹

「報・連・相」は、これまで詳細をみてきた内部統制として運用される業務プロセスの一部(情報の伝達態勢)で、内部統制全体の有効性・効率性および適切性に大きな影響を与えるものです。

内部統制は、組織内で行われる業務の適正を確保するための態勢です。すなわち、組織がその目的を、有効で、効率的かつ適正に達成するために、適用されるルールや業務プロセスを整備・運用することです。

「報・連・相」は、企業にとって組織的に仕事を進める上で不可欠のものです。一部でも実践されなければ、仕事やプロジェクトが遅延して、業績に影響が出る可能性もあります。また、顧客への対応が遅れてトラブルが発生すれば、顧客満足度にも影響します。

「報・連・相」は、企業の内部統制の根幹をなすものと言っても過言ではありません。問題発生を未然に防ぎ、より有効に、効率よく、かつ適正に内部統制を遂行するためには「報・連・相」を徹底して行う必要があります。

一方、社会人にとって「報・連・相」は、必須のビジネスマナーであり、ビジネスの基本です。ビジネスパーソンにとって必要不可欠である「報・連・相」のスキルが十分でないと、人事評価の低下につながりかねません。いい仕事をするためには「報・連・相」は必須なのです。

「報・連・相」のスキルを向上させることは、本人の人事評価を向上させるばかりではなく、企業の内部統制を向上させて、ひいては経営目的を円滑に達成することにつながるのです。

【ポイント】
〇「報・連・相」
・内部統制として運用される業務プロセスの一部で、内部統制全体の有効性・効率性および適切性に影響を与える。
・企業にとっては内部統制の根幹をなすもの。
・ビジネスパーソンにとっては必須のビジネスマナーで業務の基本。

6.おわりに

「報・連・相」は、あらゆる職場で仕事を円滑に進めるために必要なコニュニケーションスキルです。チームワークが良くなり、組織の業績が向上し、職場の人間関係が良くなる効果が期待できます。

また、「報・連・相」は、若手社員にとっては、自己成長を促し、仕事力を向上させ、デキる人になるためのスキルです。

組織に属する人の多くは、リーダーであり、同時にフォロワーです。特に、フォロワーとしての役割を上手に果たすためには「報・連・相」のスキルは不可欠です。

「わかりやすく的確に情報を伝える」というスキルは、ビジネスで求められる大切なコミュニケーション能力です。ビジネスの現場では、ひとつの伝達ミスが事故や深刻な事態を引き起こしかねません。

また、「報・連・相」は、単なる個人のスキルに留まりません。「報・連・相」ができる部下は、上司にとっては安心して仕事を任せられる存在となります。その結果、業務が円滑に進み、それは会社の利益につながります。

すなわち、「報・連・相」の向上が、内部統制全体を強化することになります。内部統制の強化により経営目標がより効果的に速やかに達成されるようになります。

最近、「報・連・相」が上手にできない若い社員をよく見かけます。スマホが日常生活の一部になり、SNSでつぶやくだけの貧弱なコミュニケーションが増えたことが原因かもしれません。

しかし、社員が「報・連・相」を上手にできないのは、企業にとっては大きな損失です。一方、それは人事評価の低下にもつながり、社員にとっても大きな損失なのです。

皆さんが「報・連・相」の本質を理解されて、職場におけるコミュニケーションを大切にし、業務に邁進されることを祈念しています。

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教育研究家/元銀行員

岡 幸司

国内・海外の業務経験豊富な元銀行員。大手金融機関で法人及び個人向け融資業務を20年担当。内部監査部門で仕事した経験もあり、企業の内部統制には詳しい。現在、一般企業で総務・人事、社員教育などを担当。その業務経験から実践的な社員教育を研究するとともに、日常業務の問題解決法など、実践的な業務知識・ノウハウを一般に伝える活動をしている。6年前に住宅ローンを借り「戦略的な賢い借り方」を実践中。

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