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【理学療法士が教える】高齢者でも出来る!簡単体操

理学療法士/高齢者リハビリ従事者

ayaka

整形外科クリニック勤務の後、介護老人保健施設にて約6年間勤務。高齢者を中心にリハビリを行いながら、自宅で出来るストレッチやトレーニングを指…

「自宅でも出来る体操ってあるの?」
「病院や施設でリハビリに通っているけど、家でも時間があるし、空いた時間に少し体操がしたい。」
「元気に楽しく老後を過ごしたい。」
「最近筋肉の衰えが気になってきた。」
高齢者の皆さんと接する上で、よく質問や相談をされる事があります。
やりたくても、やり方がよく分からない。体に負担をかけないか心配。
そんな高齢者の方々に向け、簡単に行う事ができる体操やトレーニングを、理学療法士である筆者がご紹介させて頂きたいと思います。
今回の記事では、体を下肢・上肢・体幹に分け、分かりやすく解説していますので、ぜひご自身の気になる箇所からお試し頂ければと思います。

目次

  1. 自主トレーニングって何?
  2. 運動を行う前に
  3. ①イスに座って出来る下肢のトレーニング
  4. ②タオルを使って出来る上肢体幹のトレーニング
  5. ③負荷なく出来る体幹のトレーニング
  6. まとめ

自主トレーニングって何?

現在日本では、約2.6人に1人が65歳以上と言われており、約4人に1人が75歳以上と言われています。
高齢化が進むにつれて、「健康寿命」と呼ばれる言葉が生まれました。
「健康寿命」とは健康上問題のない状態で日常生活を送れる期間を指します。
年々平均寿命が伸びている今、いかに健康に余生を過ごす事が出来るかと言う事がとても大切な事になりました。
「膝が痛い」「腰が痛い」高齢者の方からよく聞く言葉です。
どこかに出掛けたくても膝が痛くて歩けない、股関節の骨を折ってから思う様に歩けない、様々な怪我や障害によって、家に閉じ籠もりがちになってしまう高齢者の方も少なくない現状です。
今回、紹介させて頂いている「自主トレーニング」とは、お家で出来るリハビリテーションです。
痛みや症状により、病院や施設等でリハビリに通われている方はもちろん、家で何もする事が出来ない、出来る事が減ってきた、転ぶ回数が増えた、等のトラブルを抱えている方もぜひおすすめしたい体操です。
自主トレーニングを行う事で、自分自身の体を健康に維持し、健康寿命を延ばして、やりたい事をやる事が出来る、行きたい場所へ行ける体つくりを行なっていきましょう!

運動を行う前に

まずは運動を行う前に、体調を確認しましょう。
血圧や、脈拍を測定出来る環境であれば、運動の前に測定を行って下さい。
少しでも異常がある場合は、行わない様にして下さい。
持病があり「高血圧」「不整脈」等運動に制限がある方は、主治医の先生に相談してから行って下さい。
あくまで、ご紹介させて頂いている体操は「自主トレーニング」です。
体に負担を掛けずに、無理なく行う事が出来、継続していく事が重要です。

①イスに座って出来る下肢のトレーニング

注意:固定されているイスに座り、足の裏が地面に接する様に腰掛けて下さい。

一番大切!太ももを鍛える体操

所要時間:5分程度
対象部位:大腿四頭筋(太ももの筋肉)
効果:歩く時や立ち上がる・座る等の動作向上、膝の痛み軽減

やり方

①しっかりと地面に足の裏を接地して下さい。
②片足ずつ、膝をまっすぐ伸ばします。※この時、痛みがある場合は中止して下さい。
そのまま止め、息をしっかりと吐きながら5秒カウントします。
③その後、ゆっくりと戻して下さい。
同じ動きを反対側の足でも行います。ここで1回とカウントします。
★20回3セットを目安に行って下さい。


しっかりと地面に足の裏を接地して下さい。


ゆっくりと息を吐きながら伸ばします。★5秒キープ!


ゆっくりと戻しましょう。
反対側の足も同様に行います。

むくみ改善に効果あり!足首の運動

所要時間:5分程度
対象部位:前脛骨筋、下腿三頭筋(すね、ふくらはぎの筋肉)
効果:足の指や、甲のむくみ改善

やり方

①しっかりと足の裏を地面に接地して下さい。
②両足のつま先を、痛みのない範囲で持ち上げます。
そのままパタパタと上下させ、20回行います。
③次に、両足のかかとを痛みのない範囲で持ち上げます。
この時ふくらはぎの筋肉を意識して行って下さい。
先程と同様にパタパタと上下させ、20回行います。
★以上の工程を1セットとし、3セットを目安に行って下さい。


しっかりと足の裏を地面に接地します。


つま先を痛みのない範囲で持ち上げ、下ろします。★20回


かかとを持ち上げ、下ろします。ふくらはぎの筋肉を意識しましょう!★20回

意外と重要!股関節の運動

所要時間:5分程度
対象部位:内転筋郡(太ももの内側にある筋肉)
効果:歩く時や立ち上がる・座る等の動作向上、股関節障害手術後のリハビリ
必要な物:タオル

やり方

両膝の間に握り拳、またはタオルを丸めた物を挟みます。
ゆっくりと息を吐きながら、膝で潰す様に力を込めます。
目安として5秒かけて力を込め、5秒かけて力を抜いて下さい。
★20回3セットを目安に行って下さい。

太ももの内側の筋肉を意識しましょう!ゆっくりと力を込める事がポイントです!

②タオルを使って出来る上肢体幹のトレーニング

注意:固定されているイスに座り、足の裏が地面に接する様に腰掛けて下さい。
腰痛等の症状がなければ、背筋を伸ばし、背もたれにもたれない様に腰掛けます。

五十肩の予防に有効!簡単体操

所要時間:5分程度
対象部位:三角筋(肩の筋肉)
効果:肩の柔軟性・筋力向上、肩関節周囲炎(五十肩)の予防・リハビリ
必要な物:タオル

やり方

①タオルを肩幅位の長さで胸の前に持ちます。
②そのまま息を吐きながら、5秒位かけて腕を耳の横まで持ち上げます。
※この時、痛みがある場合は、痛みの無い範囲で持ち上げて下さい。
③しっかりと背筋が伸びたら、同じ様に5秒位かけて胸の前まで戻しましょう。
★以上の工程を1回とし、20回3セットを目安に行って下さい。


肩幅にタオルを持ち、なるべく背筋は伸ばしましょう!


肘を伸ばしたまま、耳の横まで腕を持ち上げます。
★背筋がしっかりと伸びる事がポイントです!


息を吐きながら、ゆっくり戻します。

インナーマッスルにも効く!体幹のストレッチ

所要時間:5分〜10分程度
対象部位:腹斜筋(体の側面の筋肉)
効果:インナーマッスルの強化、パーキンソン病のリハビリ、体幹の柔軟性向上

やり方〈その1〉

①先程と同じ様にタオルを肩幅位の長さで胸の前に持ちます。
②そのまま息を吐きながら、5秒位かけて体を右側へひねります。
※この時、両肘をしっかりと伸ばし、右の脇腹を意識します。
③気持ちが良い所で止め、同じ様に5秒位かけて胸の前まで戻しましょう。
④同様に左側も行います。腕は胸の前でまっすぐ伸ばしましょう。
⑤そのまま息を吐きながら、同じく5秒位かけて体を左側にひねります。
⑥気持ちが良い所で止め、同じ様に5秒位かけて胸の前に戻しましょう。
★以上の工程を1回とし、20回3セットを目安に行って下さい。


背筋は伸ばしたまま、タオルを胸の前で持ちます。


体を右側へひねります。
この時肘は伸ばしたままキープします。右の脇腹を意識しましょう!


ゆっくりと息を吐きながら戻します。


左側も同様です。腕はまっすぐ伸ばしたまま胸の前で構えます。


体を左側へひねります。肘を伸ばしたままキープ!
左の脇腹を意識します。イメージは雑巾絞りです。


ゆっくりと戻して1回です。

やり方〈その2〉

①その1と同様にタオルを胸の前に持ちます。
②そのまま息を吐きながら、腕を耳の横まで持ち上げます。
③その状態でゆっくりと5秒位かけて体を右側へ倒します。
※腕は耳の横をキープし、肘は伸ばしたままで行って下さい。
④気持が良い所で止め、5秒位かけて体がまっすぐになる様に戻します。
⑤同様に左側へ体を倒し、気持ちが良い所で止めます。
⑥ゆっくり息を吐きながら体がまっすぐになる様に戻しましょう。
⑦最後に、ゆっくりと胸の前までタオルを戻して1回です。
★以上の工程を1回とし、20回3セットを目安に行って下さい。


基本の構えは一緒です。
肘を伸ばして胸の前にタオルを持ちます。


体を右側へ倒します。
この時、左の脇腹がしっかりと伸びるように意識します。


息を吐きながらまっすぐに戻します。


体を左側へ倒します。
先程と同様に右の脇腹をしっかり伸ばします。腕は耳の横でキープしましょう!


まっすぐに戻します。


腕を胸の前に戻して、1回です。

③負荷なく出来る体幹のトレーニング

注意:ベッドに横になり、両膝を立てて下さい。
この時、頭の高さは背骨に対しまっすぐになる様に調整して下さい。
また、腰痛がある方は中止して下さい。

楽に出来る腹筋運動

所要時間:5分程度
対象部位:腹直筋(お腹の筋肉)
効果:体幹の筋力向上、背骨の変形予防、腰痛改善

やり方

①背骨がまっすぐになる様に横へなったら両膝を立て、へそに両手を当てます。
②ゆっくりと息を吐きながら、へそを見る様に頭を上げます。
※腹筋が収縮しているか、へそに当てた手で確認して下さい。
③ゆっくりと頭を戻します。
★以上の工程を1回とし、20回3セットを目安に行って下さい。


背骨がなるべくまっすぐになる様に横になり、両膝を立てます。
両手はへその上に置きます。


息を吐きながら、へそを見ます。★お腹に力が入っているのを確認しましょう!


ゆっくりと頭を下ろします。

腰痛持ちにも有効!背筋運動

所要時間:5分程度
対象部位:脊柱起立筋(背筋)、大臀筋(お尻の筋肉)
効果:腰痛改善、体幹の筋力向上、背骨の変形予防、股関節障害手術後のリハビリ

やり方

①背骨がまっすぐになる様に横へなったら、両膝を立て、両手は体の横へ置いて下さい。
②お尻に力を入れる様に、ゆっくりと腰を持ち上げます。
※ブリッジの姿勢です。
③気持が良い所で止め、ゆっくりと腰を下ろします。
★以上の工程を1回とし、20回3セットを目安に行って下さい。


先程と同様に横になります。手は体の横に置きます。


お尻に力を入れ、腰を持ち上げます。★息はしっかりと吐きましょう!


ゆっくりと腰を下ろします。
腰に痛みが出たり、足に痺れがある場合は中止して下さい。

まとめ

私は、約6年間介護老人保健施設にて勤務させて頂き、様々な高齢者の方とお話しする機会がありました。
皆さんが口を揃えて言います。「歩きたい」「好きな物を食べたい」「好きな所へ出掛けたい」「でも、出来ない」「生きていても仕方がない」と。
自分の健康を保つ事が出来るのは、他でもない、自分自身です。
毎日散歩をする、体操をする。そう言った日課を行っている高齢者の方も多くいらっしゃいます。
やはり、とてもお元気に過ごされており、まさに「健康寿命」とはこの事だと感心させて頂いております。
そんな方々に、「どんな体操をやったらいいの?」と質問して頂く機会が多くあり、今回の記事を執筆させて頂くきっかけとなりました。
今回は、高齢者の方でも無理なく、体に負担を掛けずに行う事が出来る体操をご紹介させて頂きました。
また、腰痛や膝の痛み等を訴えられ、整形外科や接骨院へ通院されている方にも、ぜひ行って頂きたい体操です。病院等で行うリハビリや、注射、薬等の治療に加え、「自主トレーニング」を付け加えてみて下さい。
治りが早くなり、また予防にも繋がっていきます。努力をする事は決して無駄ではありません。
ぜひこの機会に、健康の第一歩である、「自主トレーニング」を日常の一部に組み込んで頂き、継続して頂きたいと思います。

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理学療法士/高齢者リハビリ従事者

ayaka

整形外科クリニック勤務の後、介護老人保健施設にて約6年間勤務。高齢者を中心にリハビリを行いながら、自宅で出来るストレッチやトレーニングを指導していた。現在は妊娠の為退職し、自宅から何か出来ないかとライターに転身。高齢者の抱える悩みや、ご家族の方から受ける相談等の経験から、「ご自宅での自主トレーニング」の大切さを発信している。

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