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もう植物を枯らさない!植物専門家が教える上手に育てるコツ

植物専門スタジオ「やんばる植道」 代表

福嶋澄子

「育てて幸せ」をモットーにメンテナンス方法を教える花・観葉植物の専門家。 大手花屋や市場の仲卸で修行を積み、独立後、都内で植物専門のスタジ…

私は、グリーンを扱う業界に入って10年になります。様々な仕事を通して、お客様からはいろいろな相談を受けます。

・調べた通りに育てたのに枯れた
・枯れない植物が欲しい
・枯らさないコツは?

観葉植物のプロも、実は植物を枯らします。
それは、大切なポイントを見誤った時です。

ちょっとしたコツを知るだけで、ぐっと観葉植物栽培が上手になります。
今回は栽培する上で大切なポイントをご紹介します。

目次

  1. 観葉植物が枯れる原因
  2. 観葉植物の生長サイクルを知る
  3. 夏越し・冬越しの準備
  4. 原産地を知る
  5. 植物を購入する時のコツ
  6. 植物を贈る時のコツ
  7. 最後に

観葉植物が枯れる原因

自宅やオフィスで育てている観葉植物が枯れてしまった…大切にしていたのに、みるみるうちに元気が無くなってしまった…そんな体験をされた方は多いと思います。

・置いている環境
・メンテナンス、育て方

大きく分けて、この2点が枯れてしまう原因になります。
植物は、「光・水・風・温度」が大変重要になってきます。

例えば「光」の問題で枯れる場合は、「日照不足」または「直射日光」が主な原因になります。
「水」の場合は「水不足」「水のやりすぎ」などになります。
これらは不足する、または多すぎるという結果のために大切な観葉植物を枯れさせてしまいます。

インターネットで調べたり、図書館で調べたりして、正しくメンテナンスしているはずなのに、なぜ枯れてしまうのでしょうか?

それぞれの植物は快適に生長するための条件があります。その条件を知る、上手に育てていくためのコツをつかむ方法をご紹介します。

観葉植物の生長サイクルを知る


植物には生長サイクルというものがあります。
観葉植物は、野菜や樹木のようにタネが発芽して、大きくなって収穫したり、花が咲いたり紅葉したりという変化が見えづらいので、つい生長を忘れてしまいがちです。

観葉植物は春から初夏が生長期、秋冬は休眠期と一般的に言われています。
しかし、実際は微妙に変わり、梅雨の時期が一番生長する品種、真夏には休眠する品種、秋冬関係なく休眠しない品種と様々あります。

例えば、夏は休眠して冬に生長する観葉植物に「冬型の多肉植物」があります。
・リトープス
・コノフィツム
・ドリミア
・セネシオ
など…
これらの多肉植物は6月から8月が休眠期、9月から1月が生育期となっています。

休眠期に生育を促す作業をしない


大切な観葉植物がいつ生長して、いつ休眠するのかを知っておくのは、育てる上で大きなポイントです。

休眠している時は、体力を温存してじっとしている状態です。強い肥料をあげたり、植え替えや剪定をして生育を促すのはよろしくありません。

なぜ生長期と休眠期があるの?


植物はより長く生き延びるために生長期と休眠期を持っています。
温度や日の当たり具合、鉢内の水分量などから環境を察知して生長を止めます。
では、高温多湿、日当たりサンサンの状況を作れば、常に元気でい続けることができるかといえば、そうではありません。
季節を感じて、オンオフをつけているから、ずっと元気でいることができます。

もう1点、休眠は季節や環境で起こる一方、水をあげないなど、ストレスでも休眠状態になることがあるので注意が必要です。
水がないなどギリギリの状態で生き残るため、育つことを止めて温存しようとするからなのです。

休眠期はまったく世話をしなくても良い?


休眠は枯れたんじゃないの?
休眠中は世話しなくても良いんでしょ?

そんなお話を聞くことがありますが、最低限の生命活動はしているので、きちんと世話をしてあげましょう。

枯れてしまったのではないかと心配な時は、簡単なテストがあります。
・枝を折る
・樹皮を傷つける

枝を折る時は、大きな枝でなく鉛筆ほどの枝で構いません。枝が生きていればしなったり、中が湿ってる感覚があります。枯れていると、ポキっと割れて乾いている感触です。

また、樹皮の青い部分をナイフなどで少しだけ削ぎ落としてみる、という方法もあります。生きていれば樹液が出たり、湿っている様子が確認できます。

枯れていると茶色くなっていたりスカスカになっていたりします。ちょっとかわいそうな方法ですが、わかりづらい時には試してみてください。

休眠中の世話は「無理をさせない・頑張らせない」この点を大切にしてみてください。無理に肥料をあげたり、たくさん水をあげ続けることは負担が大きくなってしまいます。
植え替えや剪定なども負担が大きいので元気な時期に行うようにしてください。

夏越し・冬越しの準備

「夏越し」「冬越し」という言葉があります。
そこは別の管理方法!と確立されるだけこの季節の管理は手間が必要です。
観葉植物によって、夏や冬の管理はそれぞれ変わってきます。前記したように生長サイクルや原産地を知っておくと、この季節のメンテナンスの加減が理解しやすくなります。

夏越しとは

夏は年々厳しくなってきていますよね。猛暑や豪雨、台風など人も過ごしづらい状態です。

炎天下で太陽が好きな観葉植物であれば、そんなに心配する必要はありません。
しかし、強い日差しが苦手な品種であれば、上手に遮光してあげなければいけません。品種によっては、過酷な環境になると休眠することもあるので、夏越しのポイントは観葉植物によって変わってきます。

夏越しの重要ポイント

置き場所は原産地の様子を意識してみる

観葉植物は熱帯地方のジャングルで育つものも多く、基本高温多湿の環境は大好きです。遮るものが何もない砂漠や崖で巨大化する観葉植物もあります。
一方、高温多湿でも大きな木の下で茂ったり、幹にへばりついて生きている仲間もいます。

原産地や生育スタイルをよく考えて夏の準備をする必要があります。
例えば、夏らしいモンステラは、大きな木の幹に這って育つ着生植物です。太陽の直射日光だと葉が焼けてしまうので、木陰のようなやや明るい環境を作る必要があります。

このように、直射日光では葉が焼けて変色してしまう品種が実はすごく多いので、薄いカーテンやシェードなどで遮光を行いましょう。

水やりは涼しい時間帯に行う

夏の間は、日中に水をあげると鉢の中で水分が高温になることがあります。特に、プラスチックの鉢のままだと蒸れて根に悪影響を与えることがあります。

夏前に、陶器やテラコッタなど、通気性の良い素材のものに植え替えておくと管理しやすくなります。
株全体に霧吹きなどを行う場合も、日中は避けた方が良いです。水滴が集光レンズのようになって葉が焼けることがあります。

冬越しとは

夏場と同じように、近年の冬の寒さは厳しいものとなっています。つい最近まで春と言われていた時期に雪が降ることも、珍しくないものです。

メジャーな観葉植物の多くは、熱帯地方など温かい場所が原産になります。日本の冬の気候では、体力を温存するために休眠に入ります。
実は、休眠期間が一番枯れやすいタイミングです。
日差しも弱く、水も乾かないので水やりのタイミングなどが難しくなってくるので、まずは冬越しをマスターしていきましょう。

冬越しの重要ポイント

耐寒温度に合わせた置き場所に取り込む

外気が15度以下になったら冬越しの準備を始めてください。
品種によって「耐寒温度」が変わってくるので取り込むタイミングは品種に合わせて行いましょう。
その前に、しっかり場所の準備を行ないます。よく日が当たって、外気に影響されない場所が好ましいです。

例えば、サンルームなどに置いた場合、日中は暖かいのですが、早朝や夜にとても冷え込む場合があります。床からも冷える場合があるので、絨毯を引きガラスには断熱シートを貼ると効果的です。

幼い株やデリケートな品種の場合は、温室や水槽を使うと楽に管理できます。室内用の園芸温室はホームセンターなどで容易に入手可能です。

水やりは最小限にする


水やりは、最小限にします。温度が下がり風通しも弱くなるので、鉢内の土が乾きづらくなります。
サンセベリアなど一部の品種では水を絶つこともあります。いつも湿っている状態は根腐れや土の状態を悪化させるので、しっかり乾いてから水やりを行うようにしてください。

加湿はしっかり行う

冬場はエアコンなどの影響で室内が乾燥しやすくなります。
乾燥すると葉の水分が失われ弱くなったり観賞価値が減少します。

霧吹きがちょうど良いのですが、冷たい水を使わずややぬるい水を使うと上手に育てることができます。

冬の間は、避けられない落葉や葉の変色が起こり春になった時、美しくなくて心配になることがあります。暖かかくなったら、生育期のメンテナンスを続けて入ればまた立派な株に戻ります。

季節の管理のポイント
夏の管理…日当たりをコントロールして
高温に注意する
冬の管理…なるべく日当たりを良くして
水をあげすぎないようにする

上手に冬が越せれば、耐寒性が増し、丈夫に育っていくので、あまり神経質になりすぎずに育ててみてください。

原産地を知る

観葉植物を育てる上で、最も大切だと言っても良いのが原産地の調査です。

販売されているもののほとんどが、日本の農家で育って出荷されるので、原産地とまったく同じにしなければいけないということではありません。

しかし、販売時にメンテンスカードやタグの多くに「原産地」の記載があります。

乾燥地帯、亜熱帯のジャングル、高山の山の中、川のそば…色々な環境があります。それを知っていくと、だんだん管理しやすくなっていくので、まずは原産地を調べてみましょう。

原産地を知る手段


購入すると、ラベルやタグに品種が書いてあります。

例えばコウモリラン、これは通称で和名はビカクシダ、そのため学名を調べます。コウモリランの学名はplatycerium(プラティケリウム)になります。

そこから、さらに種類を調べます。近年は新しい品種も多く流通しているので、不明な場合は、グリーンショップなどでプロにみてもらいましょう。全体の株の形と葉のアップの写真があると判断しやすくなります。

原産地の場所や気候を知る


さて、コウモリランは原種が18種類あり、原産国が細かく分かれています。
「アフリカ・マダガスカル」「東南アジア」「オーストラリア」「南アメリカ」に分かれます。
南アメリカ、南米にはandinum(アンディナム)という1種類だけになり、アンデス山脈が原産地とされています。高地が原産地なので比較的寒さと乾燥には強いことがわかります。

アンデス山脈はとても広く、各地で気候が変わります。コウモリラン自体は亜熱帯で高温多湿の場所、大きな木に着生して生きる植物です。
原産地は、アマゾンに近いエリアなのではないかと考えることができます。

日本と全然違うけれどなぜ元気に育っているの?


アマゾンの植物が、なぜ日本で育つのか…そんな疑問がある方も多いと思います。まずは、出荷する農家さん、優良な農家さんは焦って育てずじっくりと日本の四季に慣らしながら大きく育てて出荷しています。
小さな頃から日本の農家さんに大切に育ててもらうので、基本的には日本の気候で丈夫です。

育てていく上で、直射日光が好き、半日陰が好きなどを見極めながら育てていくことがとても大切になってきます。

植物を購入する時のコツ

観葉植物は難しい!面倒!そう感じてしまうのは、
・環境、ライフスタイルにあった観葉植物を選んでいない
・難しい品種を選んでいる

このような点にあります。

長く付き合うものなので、ファーストインプレッションや見た目はとても大切です。
しかし、日当たりが良くない部屋なのに、直射日光が好きな観葉植物を買ってしまうと枯れる原因になります。とても多忙で、部屋を留守にしがちなのに毎日水をあげなければいけないものを選んでしまう。

先日は、夜しか部屋にいないライフスタイルの方で、夜は葉を閉じる「エバーフレッシュ」を購入、鑑賞するときはいつも葉が閉じているので、病気に気づかず枯らしてしまったというお話を伺いました。

購入するときは、置きたい部屋の環境やライフスタイルを相談しながら選ぶと、相性が良い観葉植物と出会うことができます。

購入する時のポイント
①お部屋の環境を伝える
②育った時のサイズを意識する
③夏や冬の管理方法をしっかりと調べる

まずは、観葉植物を選ぶときは店員さんに色々と相談することになります。
その際、お部屋の環境をなるべく詳しく伝えましょう。

日当たりや風通しなどの具合によって、ぴったりの品種を見つけやすくなります。

さらに、置きたい場所のスペースも伝えてください。小さなスペースに置きたいのに、育っていくと横に広がるように育つタイプなどは後々のメンテナンスが大変になっていきます。

お気に入りの1鉢を見つけたら、夏や冬のメンテナンスについて調べておきましょう。とても素敵なのに、冬の管理が難しく枯らしてしまった…という相談は多いものです。

ビギナーさんだと、難しい品種は避けた方が良いケースもあります。加減がわからず管理がストレスになってしまいます。

また、メンテナンス方法を知りたくて、ネットで検索しても情報が少なかったり学術的なものやマニアックなサイトばかりでわかりづらいということもあります。

もちろん、チャレンジをして、そこから勉強して育てている方もたくさんいらっしゃるので、一概には言えません。できれば、購入前にネットなどの情報量も調べておくと安心できます。

植物を贈る時のコツ


自身のお部屋であれば、日当たりや風通しもわかり選びやすいものです。色々なシーンで贈り物として観葉植物を選ぶこともありますよね。一般的に丈夫で強い品種を選ぶ傾向があります。

しかし雰囲気が違ったり、大きさがふさわしくなかったり…少しがっかりすることも起こります。
既存のお店や事務所など先方の状況がわかるようだったら、リサーチをしたり先方に相談したりした方が良いです。

新しい場所で情報が少ない場合は「観葉植物のレンタル」を贈り物にするのがオススメです。何ヶ月かまとまったスパンでレンタルができるので、対応エリアの観葉植物のレンタル屋さんに相談してみましょう。

最後に

観葉植物は、コツさえつかめば長く付き合うことができます。季節ごとのメンテナンスのポイントなどをチェックしながら育ててみましょう。

出会って1年目は加減がつかめず、手間がかかると感じることが多くあると思います。しかし、だんだん環境に慣れてきてくれるので、気長に付き合っていきましょう。

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植物専門スタジオ「やんばる植道」 代表

福嶋澄子

「育てて幸せ」をモットーにメンテナンス方法を教える花・観葉植物の専門家。
大手花屋や市場の仲卸で修行を積み、独立後、都内で植物専門のスタジオを運営中。
マニュアル通りの完璧なメンテナンスではなく,それぞれのライフスタイルにあった無理のない育て方を提案している。様々な植物に対応しているので、全国各地から問い合わせが絶えない。

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