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失敗しない大根の育て方-畑は深く耕し異物を除去する-

野菜栽培歴4年

fnp2101

長期にわたって野放し状態で、雑草だらけだった畑の耕耘からスタートして4年、野菜栽培もようやく軌道に乗ってきました。発芽に失敗したり、台風や季…

大根の栽培を始めて5年目を迎えました。最初のうちはずんぐりむっくりしたものや二股のものなど、不格好な大根が目立っていましたが、最近はようやくスーパーで販売されているような「かっこいい」大根が収穫できるようになりました。

農業のことわざに「大根十耕(だいこんじっこう)」ということわざがあるようです。文字通り、大根を栽培するなら種蒔き前に十回は耕せ、つまりよく耕してから種を蒔けという意味です。本文ではこのあたりのことも含めて、品種の選定、種蒔きから収穫までの一連の作業、そして保存方法などについて、作業の仕方や注意事項を中心に解説します。

大根は野菜の中でも栽培期間が比較的短く、また総じて耐病性に優れており、栽培しやすい野菜と言えます。初心者の方にお勧めの野菜です。ぜひ大根栽培にチャレンジしてみてください。
なお、特に断りのない限りは関東地方南部における露地栽培を前提に解説します。

目次

  1. 大根の産地-品種が多く、全国で栽培-
  2. 品種の選び方-栽培時期に合った品種、地域に適した品種を-
  3. 大根の栽培期間-栽培適期を守って-
  4. 畑の準備-とにかくよく耕す、異物を除く-
  5. 種蒔き-不織布を活用し、直蒔きで-
  6. 間引き-遅れずに行う-
  7. 台風対策-暴風雨から苗を守る-
  8. 防虫対策-幼苗期には不織布や防虫ネットで対策-
  9. 追肥と土寄せ-根の成長にあわせて-
  10. 収穫と保存-適期を逃さず-
  11. 切り干し大根-保存食に最適-

大根の産地-品種が多く、全国で栽培-

大根は通年にわたって全国で栽培されている非常にポピュラーな野菜です。都道府県別では北海道の生産量が最も多く、ついで千葉県、青森県となっていますが、あまり地域に偏りがありません。(農林水産省HP 2018年12月 より)

北海道や青森県では、春に種を蒔いて夏に収穫する品種が、千葉県では夏に種を蒔いて秋冬に収穫する品種が主流です。大根の成長期の適温は20℃前後ですが、このことが北日本で夏大根が多く、関東地方や西日本では秋冬大根が多い理由と思われます。

このように夏どりや秋冬どりがある大根ですが、全体の品種は100種類以上と言われています。現在の主流である青首大根をはじめとして、丸くて大きい桜島大根、関西地方で好まれている聖護院大根など、ご存知の方は多いと思います。そして三浦大根や練馬大根など、地域ブランド化した品種が多いのも大根の特徴です。

品種の選び方-栽培時期に合った品種、地域に適した品種を-

品種には収穫時期の違いから夏大根と秋冬大根がありますが、栽培時期に合った品種を選ぶのがよいです。中には「時期(とき)なし大根」と呼ばれる、どちらの時期でも栽培できる万能的な品種もありますが、品種の栽培適期を確認して、栽培時期が合った品種を選ぶことが肝要です。

また地域で実績のある品種、すなわち地域に適した品種を選ぶことをお勧めします。大根栽培を行っている農家が近くにあれば、相談してみるのもよいと思います。

関東地方や西日本における栽培では、涼しくなる時期と成長の時期が重なる夏秋どりや秋冬どりの大根が、栽培しやすい品種になります。そしてこの時期は害虫が活発には活動しない時期であり、被害を受けにくいというメリットもあります。ここでは夏秋どりや秋冬どりの青首大根を中心に代表的な品種を解説します。

・耐病総太り(タキイ社)
代表的な青首大根で、育てやすく、ス入りの遅い品種です。秋冬どりの大根ですが、温暖地では春蒔き夏どりも可能です。

Amazonより引用

ス入りとは?
根菜類で発生する異常で、根の中に空洞が出来てしまうこと。収穫適期を逃してしまうと発生しやすい。一種の老化現象。

・おてがる大根 三太郎(タキイ社)
秋冬どりも春夏どり出来る、栽培期間の広い品種です。栽培が比較的容易で家庭菜園向きの大根です。

Amazonより引用
・冬どりあまうま大根 冬自慢(サカタのタネ社)
耐病性に優れた秋冬どりの代表的な青首大根です。葉があまり広がらないコンパクトな品種で密植が可能です。ス入りが遅く、栽培しやすい品種です。

Amazonより引用
・暑さに強い総太大根「夏の守」(サカタのタネ社)
夏の暑さに強く、また耐病性の優れた品種です。作りやすく曲がりの少ない、夏秋どりの品種です。

Amazonより引用

上記の品種を、耐病性や収穫時期、栽培難易度で整理したのが下表です。品種選定の参考にしてください。(品種名は省略して記載しています)

品種名耐病性収穫時期難易度
耐病総太秋冬
三太郎春夏/秋冬
あまうま秋冬
総太夏秋

まずは夏秋どりや秋冬どりの青首大根から始めて、大根栽培に慣れてきたら、夏どりや、聖護院大根などの別な品種を手掛けてみるのがよいと思います。

大根の栽培期間-栽培適期を守って-

一般的な栽培期間を下図に示します。前述したように、大根には秋冬どりと夏どりの二通りがありますので注意してください。
また品種によっても栽培期間に差異がありますので、種子の袋に記載されている栽培適期を守って栽培するようにしてください。

種蒔きの時期が早すぎると、収穫する前に花が咲いてしまう場合があります。(早期とう立ち)
とう立ちしてしまった大根は、根の中央部分が固くなり、食べられません。


畑の準備-とにかくよく耕す、異物を除く-

大根はアブラナ科の野菜です。最近は品種改良が進み、連作にも強い品種が多くなってきましたが、1~2年は栽培する畑の間隔をあけて連作を避けるほうが無難です。

そして大根の栽培では、とにかく、畑を深くよく耕すことが重要です。他の野菜同様、種蒔きまでに最低2回の耕耘を行いますが、いずれの場合も深さ35cm程度までよく耕し、土を柔らかくすることです。

そして同時に小石や枝切れ、雑草の根などの異物を出来るだけ除去するようにします。異物があると根の成長が妨げられ、きれいな形の良い大根が育たない場合があります。

石灰の散布-種蒔き2週間前-

苦土石灰を1㎡当たり100gほど散布し、深さ35cm程度までよく耕します。土の塊が残ると、大根の成長が阻害され、異形の大根(また根)が発生する場合があります。
塊は砕くか、取り除くようにします。また、石灰は風で飛ばされやすいので、風のない穏やかな日を選んで作業しましょう。

施肥-種蒔き1週間前-

1㎡当たり、完熟堆肥約200gと化成肥料約100gを蒔き、深さ35cm程度までよく耕します。肥料、特に化成肥料が塊で残らないよう、注意して耕しましょう。

そして同時に、土壌に異物が混じっていないか確認し、混じっていたら取り除きます。

完熟堆肥を使おう
堆肥は完熟のものを使いましょう。未熟堆肥を使うとまた根(岐根、きこん)が発生する場合があります。
また根:根が分岐したり異形になってしまうこと

肥料全般については、当サイト内「白菜の育て方」に記載してあります。参考にしてください。

畝作り

幅60cm、高さ10cm程度の畝を立てます。株間30cmは確保したいので、10株を栽培する場合の畝の長さは3.3mになります。

種蒔き-不織布を活用し、直蒔きで-

種蒔きは、畝の中央部分に一列で、株間30cmを確保して、直蒔き(じかまき)で行います。一株当たり3粒程度の種子を、1~2cmほどの深さで蒔きます。種蒔きの後には手のひらなどで軽く表面を押さえ鎮圧します。

そして、発芽するまでは不織布をベタ掛けして、保温、保湿に努めます。ベタ掛けとは、畝の上に直接、不織布を被せることです。被せたら、風で飛ばされたりしないよう、布の4辺に土を載せます。

不織布とは文字通り織っていない布です。野菜栽培では、発芽時の保温・保湿や幼苗の保護のために、畝にベタ掛けして使用するのが一般的です。園芸店やホームセンター、ネット等で容易に入手出来ます。不織布には大きさによって様々な種類がありますので、畝の大きさに合った不織布を選択します。

直蒔き
育苗ポットなどを使わずに、種子を直接、畑に蒔くことを直蒔きと言います。大根などの「直根性」の野菜は、植え替えたりすると根を痛めてしまいます。そのため直蒔きとするのがよいです。

下の写真は、発芽後の状態を示しています。種蒔き後、1週間が経過し、不織布も撤去しました。

間引き-遅れずに行う-

双葉に続いて本葉が出てきます。本葉が3~4枚になった頃に、1回目の間引きを行います。1本を間引き、元気な2本の苗を残します。

さらに、本葉が5~6枚まで成長した頃に、2回目の間引きを行います。より元気な苗を1本残します。

間引き作業は、残す苗を傷めないよう慎重に行います。指で引き抜いてもかまいませんが、混んでいるようならピンセットを使うのがよいです。

間引きが遅れると根が曲がったりしてしまいます。遅れずに間引きするよう心がけましょう。

台風対策-暴風雨から苗を守る-

間引きの前後に台風が襲来する場合があります。そして、暴風雨により、出揃った本葉がちぎれたり、苗自体が引きちぎられる場合があります。

幼い苗が痛めつけられるのを防ぐためには、再度、不織布をベタ掛けしたり、下図のように株の周辺に土を盛るなどの対策が必要です。

防虫対策-幼苗期には不織布や防虫ネットで対策-

苗が小さいときにハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイムシ)の被害を受けると、大根の成長が止まってしまう場合があります。これ以外にもアブラムシ、ヨトウムシなどが発生する場合があります。

白菜やキャベツなどの野菜と比較すると、大根は比較的、害虫被害をうけにくい野菜ですが、幼苗期には不織布のベタ掛けや防虫ネットのトンネル掛けで防除するのがよいです。

トンネル掛けとは、畝に蒲鉾形の支柱を立ててその上からネットを被せ、畝全体をトンネルのようにネットで覆ってしまう方法です。防虫ネット、支柱とも、不織布と同様、容易に入手出来ます。大きさの違いから多くの種類の防虫ネットがありますので、畝の大きさに合ったネットを選択します。
そして、ネットの4辺に土を被せて隙間をなくす必要があります。

また、追肥を行う(後述)頃までは、苗をよく観察し、早期に害虫を発見、駆除するのが効果的です。

追肥と土寄せ-根の成長にあわせて-

1回目

最終間引き後に1回目の追肥と土寄せを行います。畝の肩(両側)に、1㎡当たり30g程度の化成肥料を散布し、同時に中耕と土寄せを行います。

中耕や土寄せには根の成長を促し、雑草を防止する効果があります。
(中耕:野菜の成長時期に株の周辺を軽く耕すこと)

写真は1回目の追肥のあとの状態を示しています。種蒔き後、2週間が経過しました。

2回目

1回目の追肥から3週間後をめどに、2回目の追肥、中耕・土寄せを行います。

手順は1回目と同様です。この時期になると根が地上に出始めてきます。ここまでくると大根栽培の成功を予感できます。あとは寒くなるのを待つだけです。

成長-寒さに呼応して成長-

寒くなるに従って大根の成長が加速するように思われます。下の写真は種蒔き後、7週間ほど経過した状態のものです。これからさらに成長し収穫を迎えることになりますが、根が小さめとは言え、食すには問題ない大きさになっています。

大根をたくさん栽培した時などは、早めのこの時期から始めて、長期間にわたって収穫を楽しむのもよいでしょう。

収穫と保存-適期を逃さず-

下葉が横に張り出し、中央の葉が立ってきたら、収穫のサインです。地上に出てきた根の大きいものから、順次に収穫します。

収穫が遅れると「ス入り」した大根になってしまいますので、適期を逃さずに収穫しましょう。写真は収穫直前の株の様子と収穫後のものです。種蒔きから2か月半が経過しました。


収穫した大根は新聞紙にくるんで保存します。この時、葉柄の部分を2~3cm残し、葉の部分は切り取ります。根には土がついたままです。

葉も食すことが出来る
大根は根の部分よりも葉のほうにビタミン類を豊富に含んでいます。切り取った葉も料理に有効活用したいものです。一般に販売されている大根には葉がついていませんので、葉を食すことは自ら栽培した者の特権です。

切り干し大根-保存食に最適-

長期にわたって保存するためには切り干し大根にしておくのが有効です。切り干し大根は食物繊維が豊富で、同量の通常の大根よりもはるかに多くの栄養分を含んでいます。大根をたくさん収穫してしまったときなど、ぜひ切り干し大根作りに挑戦してみてください。

切り干し大根は、室温で日陰なら数か月は楽に保存できます。我が家では12月に収穫して切り干し大根にし、翌年6月まで食べていたことがあります。

切り干し大根を作る

必要なもの

切り干し大根を作るためには、切り干し突きと呼ばれる大根を細く切るための道具と、切った大根を天日干しするための道具が必要になります。天日干しをするためには網戸を使ったり様々な方法がありますが、干物づくり用の網かごを使うのが衛生的で簡単です。

下の写真は切り干し突きと網かごの例です。

Amazonより引用

Amazonより引用

作り方-乾燥した時期に作る-

切り干し大根作りは冬の乾燥した時期をねらって行います。

以下、作業手順に従って解説します。
1.収穫した大根の根の部分を使用。作業しやすい適度な大きさに大根をカット
2.料理用のボールなどを用意、この上に切り干し突きを置く
3.片手でカットした大根を持ち、もう片方の手で切り干し突きが動かないよう押さえる
4.切り干し突きに大根を押し付け、切り干し突きの刃が大根をそぐように、大根を移動(写真)
刃で指を傷つけないよう注意しつつ、移動作業を繰り返す
5.大根が細くそがれ、下のボールに落下
6.細く切られた大根を網かごに移動
7.網かごを天日干し(写真)

天候にもよりますが、1週間程度の天日干しで切り干し大根が完成します。
干した大根は、時々ひっくり返すなどして、大根がカサカサに乾燥するまで、しっかり天日干しするのがコツです。

また、切り干し大根を料理で使うときは、水に浸してから利用します。

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野菜栽培歴4年

fnp2101

長期にわたって野放し状態で、雑草だらけだった畑の耕耘からスタートして4年、野菜栽培もようやく軌道に乗ってきました。発芽に失敗したり、台風や季節風、動物にやられたりと多くの失敗もありましたが、このような実体験をベースに、「失敗しない」野菜の育て方について、わかりやすく解説していきたいと思っています。

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