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三味線小物(バチ・指すり・滑り止め・駒・糸など)を徹底解説

三味線歴三年目

神野(こうの)

社会人になってから様々な趣味(お稽古ごと)を始めました。 三味線、お琴、着付け、中国語 etc. 無理なく長続き!をモットーにゆったりとした心構…

こんにちは。最近、三味線のバチ入れを買い換えようかなと考えている神野です。
三味線は、三味線本体だけでは演奏できません。色々な小物が必要になってきます。

今回は、三味線を演奏していく上で、必要な小物についてまとめました。

三味線を習い始める人向けの小物とマイ三味線を購入する人向けの小物について分けて説明しました。今後、どれぐらいの価格の小物が必要になっていくのか、参考にしてくださいね。

目次

  1. 三味線初心者の小物
  2. バチ
  3. 指すり
  4. 滑り止め
  5. マイ三味線持ちの小物
  6. 駒(こま)
  7. 長袋
  8. 艶布巾(つやぶきん)
  9. 三味線バッグ
  10. 譜面台
  11. 番外編:胴掛け
  12. まとめ

三味線初心者の小物

三味線教室に通い始めて、すぐに三味線を購入するように勧める先生はほとんどいませんが、三味線用の小物は購入するよう言われることが多いです。

購入する小物は「バチ」「指すり」「滑り止め」の3点です。

それぞれの小物について詳しく説明していきます。

バチ


バチはイラスト内の赤丸で囲ってある小物です。
小唄以外のジャンルでは、このバチを使って、三味線を弾きます。

ジャンルによって使う三味線が違うことは三味線の始め方!初心者でも分かる種類の違いから三味線音楽まででご紹介しましたが、バチも大きさや素材が少し違います。

三味線教室に通っていて、バチを購入するように言われた際は、どのような種類のバチを買うか、きちんと聞くようにしましょう。

バチの素材

バチの素材について簡単にまとめました。

素材価格ジャンル特徴
プラスチック安いどのジャンルでも使う初心者向け
安い長唄耐久性に劣る。
べっこう高い地唄・津軽三味線・民謡重い
象牙非常に高い長唄軽い。耐久性が良い

素材によって音色が変わってきます。下の動画で聴き比べてみてくださいね。

それぞれの素材について詳しく説明していきます。

プラスチックのバチ


耐久性に優れているため、初心者用に使われます。
比較的硬い材質のため、三味線の糸や皮にダメージを与えることがあります。
そのため、扱いに慣れてきたら、それぞれのジャンルで使われるバチへと変えていくことが多いです。
価格は4,000円前後です。

木のバチ


樫や柘植が使われます。長唄の演奏で使われることが多いです。
木なので非常に軽く、演奏疲れしにくいです。また、糸へのダメージも少ないです。
一方、木は比較的柔らかいため、耐久性が低く、数年すると買い換える必要が出てきます。
価格は5,000円前後です。

べっこうのバチ


べっこうは、ウミガメの甲羅の加工品です。
簪にもよく使われていますが、三味線のバチにも使われています。

近年、絶滅危惧種であるウミガメの保護のため、輸出入に規制がかかったこともあり、価格が上昇しつつあります。

バチの中では重い素材です。
しかし、べっこうのバチ先はよくしなるので、その分、硬い材質のプラスチックなどと比べると、演奏しやすいと感じる人も多いです。

加えて、べっこうのバチは、バチ先が欠けてしまっても修理可能です。バチ先は細いので欠けることがあるのですが、長く使えるのは嬉しいですね。

価格は数万円~十万円程度です。中古品ですと、だいたい40,000円前後です。

私はべっこうのバチを持っていますが、先生のお弟子さんから30,000円で譲ってもらいました。新品で買うのは少し難しいお値段ですよね。

象牙のバチ

象牙もべっこうと同じく輸出入に規制のかかっている材質で、非常に価格が高騰しています。

薄くしなやかに加工することが可能で、軽い。
しかも、汗を吸ってくれるので、演奏中にすべりにくい。
耐久性も高く、ずっと同じバチを使い続けられる。
べっこうと同じく、バチ先が欠けても修理できる。

と良いことしかないバチなのですが、とにかく価格が高いです。

数十万円するものも珍しくありません。

バチの大きさ・形・厚さ

バチの大きさと形は「三味線のジャンル」「流派」「手の大きさ」などの、様々な要因によって、変わってきます。
一般的によく言われる事項について、簡単にまとめます。

・津軽三味線のバチは、少し小さい。
・義太夫のバチは長細く、分厚い。
・地唄のバチは、少し大きい。
・柳川三味線のバチは、非常に薄い。

これらの特徴に加え、本人の手の大きさに合わせて、使うバチが変わります。
初心者にこの判断は難しいので、購入の際は、必ず先生か楽器屋に相談しましょう。

バチ入れ(バチケース)


バチは、上の写真のような「バチ入れ」に入れて持ち運ぶこともできます。
ネットで、可愛らしいものからシンプルなものまで、色々な柄のバチ入れを探すことができます。
好みの柄の持ち物は、テンションがあがりますよね。

バチ入れには、下の項目で紹介する「指すり」「滑り止め」をバチと一緒に入れておくことができます。

価格は2,000~5,000円です。

指すり


指すりは、左手の親指と人差し指に引っ掛けて使う小物です。指かけと呼ばれることもあります。

三味線演奏における左手の役割は、主に以下の二点があります。

・親指と人差し指で棹を支えること。
・適切な音を出すために、人差し指で糸を押さえること。

糸を押さえる場所は、出したい音によって変わります。
押さえる場所を変えようと思うと、棹を支える形を保ったまま、親指と人差し指の場所を移動させる必要があります。
このときに、指の移動をなめらかにする小道具が指すりです。

価格はだいたい1000円前後です。

色のバリエーションも豊富ですし、少しお値段があがりますが、かわいい柄物の指すりもあります。編み物が得意な人は、自作もできます。

指のサイズに合わせて、MかLを選ぶことができます。

また、太棹三味線用には、下の写真のように、人差し指にひっかける部分がふっくらしている指すりを使います。

滑り止め

三味線の胴は木材で作られていますが、つるつるに磨き上げられています。
そのため、太ももにのせると、非常に滑ります。

特に化繊の服や、フレアスカートとは相性が悪いです。きちんと三味線をのせたと思っても、服が動いてしまって、三味線の位置が定まりません

一方、着物と同じように体に沿うズボンやタイトスカートは、やや滑りにくいです。

とはいえども、最初のうちは三味線を太ももの上で安定させることが非常に難しいため、滑り止めを使うことをおすすめします。

滑り止めには主に2種類あります。三味線に貼り付けるものと、演奏者の太ももにのせるものです。

三味線に貼り付けるもの


レンタル三味線や教室の三味線には使えません。

マイ三味線に貼るという場合は、三味線と太ももが接するところに貼り付けます。

周りから見えると少し格好悪いので、滑り止めを小さめに切って貼り付けるとよいでしょう。この場合、衣服が動くことは防げないので、タイトな衣服を身につける必要があります。

価格は200~300円程度です。

太ももにのせるタイプ


写真はぐるっと太ももに巻きつけるタイプのものです。「おひざもと」という製品が有名です。
フレアスカートをはいていても、その部分だけ強制的にタイトな状態になるので、どんな服装でも、三味線が不安定になるのを防ぐことができます。

こちらは、だいたい1,500円程度です。

100均の滑り止めマット


そして、私がオススメするのが、家にある手ぬぐいと100均の滑り止めマットを使う方法です。

まず、100均の滑り止めマットを15 cm × 10 cmぐらいの大きさに切ります。
手ぬぐいは、家にあるもので大丈夫です。太ももにぐるっと巻き付けましょう。
三味線をのせたい場所に、先程作った滑り止めマットを置きます。

これで、立派に三味線の滑り止めとしての役割を果たしてくれます。
100円で作れますし、あまった滑り止めマットは他のことに有効活用できます。

マイ三味線持ちの小物

さて、ここまでは三味線を習い始めたばかりの初心者にも必須の小物を紹介してきました。
ここからは、少し進んで、マイ三味線を購入後、必要になる小物について説明します。

駒(こま)


三味線の音色を決める重要な小物です。糸の振動を皮に伝える役割を持っています。

皮が傷まないよう、三味線をしまっておくときは、基本的には取り外しておきます。
イラストでは簡略化されているのですが、下の写真のように、富士山みたいな形をしています。

素材について、簡単にまとめました。

素材ジャンル特徴
プラスチックどのジャンルでも使う初心者向けで安い
牛の骨津軽三味線では使わない比較的丈夫
津軽三味線・民謡高めの音が鳴る
水牛(おもり入)地唄三味線の皮の張り具合でおもりの重さを変える
象牙細棹三味線や中棹三味線音がよく響く。高価
小唄やわらかい。バチを使わない小唄で使う

最初は、三味線屋さんが、三味線と一緒に見繕ってくれるので、自分で選ぶことはあまりないかと思います。また、違うジャンルの駒を使うこともありません。

ただ、後々、音にこだわりなどを持つようになってくると、駒についても考える人がいるようです。

音色の違いは、下の動画で是非聴き比べてみてください。

駒入れ



駒は写真のような「駒入れ」に入れておくことができます。

写真のような駒を一個入れられるものから、複数個入れられるものまで、様々な種類があります。音色にこだわると、駒を何個も持つことになるので、こういったケースでまとめて持ち運ぶ人もいるようです。
駒入れも、色々な柄の物が売られています。

価格は、駒がいくつ入るものかで変わってきますが、2~3個入るものならば1000円前後、もっとたくさん入るものならば数千円です。

番外編:忍び駒(しのびごま)


ここで、マンションの一室や夜にも練習したい方のために、忍び駒というアイテムを紹介します。

忍び駒は普通の駒よりも長く作られています。この長さで、皮を押さえつけ、弦からの振動を伝えにくくします。こうすることで、三味線の音が小さくなります。

私は、マンションに住んでいますし、平日に練習しようとすると夕方から夜になるので、忍び駒を購入しました。

音が完全に消えるわけではないので、深夜の演奏には対応できませんが、夜の八時ぐらいまでならば、これで乗り切れるかと思います。

もちろん、騒音問題などでご近所トラブルにならないよう、細心の注意を払いましょう。思いっきり練習したいときは、カラオケボックスがオススメですよ。


三味線ですから、3本糸があります。
上から、一の糸、二の糸、三の糸といいます。
3本の糸は太さが違います。一の糸が一番太くて、三の糸が一番細いです。
ちなみに、細い糸の方が高い音が出ます。

さて、この糸ですが、実は消耗品です。
特に細い三の糸は切れます。一生懸命練習すればするほど、バチの当たる部分が消耗していって、突然ぷちんと切れてしまいます。
また、太い糸は切れなくても、毛羽立ってきます。
消耗が激しくなくても、舞台の上で糸が切れるという事故を防ぐために、大切な演奏会前には基本的には糸を張り替えます。

価格はだいたい一巻き500円以下です。

素材には「絹」「ナイロン」「テトロン」があります。

絹は昔から使われている素材なのですが、ナイロンとテトロンに比べると弱いです。
そのため、力強い演奏を特徴とする津軽三味線などでは、細い三の糸にナイロン糸を使うというパターンが多いようです。

私は普段は絹糸を使っていますが、機会があって、三の糸がナイロン糸の三味線を演奏させてもらったことがあります。やはり感触に違いがあって、何となく戸惑いました。

音色も少し変わってきますので、聴き比べてみてくださいね。

長袋


長袋は三味線を入れておく布製の袋のことです。

三味線をそのまま置いておくのは、繊細な三味線を守るという観点からも、オススメできません。

写真のような無地物が多いのですが、最近はオシャレな長袋も売っています。

難しい作りではないので、構造さえ分かれば、手作りも可能です。このあたりにこだわることで、さりげないお洒落を演出するのもいいかもしれませんね。

無地物は3,000円程度ですが、オシャレなものは高くなります。

艶布巾(つやぶきん)


三味線を拭く布です。木製家具などを拭いて艶出しする布と同じです。
三味線を長持ちさせるためにも、練習後には皮脂汚れなどを、この布巾で拭き取ります。
価格は1,000円前後です。

三味線バッグ

三味線を持ち運ぶためのバッグです。
演奏会などで屋外に持ち出すのであれば、必要になってくる小物です。
大きく分けて以下の三種類があります。

名前メリットデメリット
ハードケース固くて丈夫重い
ソフトケース軽い。リュックのように背負える衝撃に弱い
三つ折りケース一番コンパクト三味線の分解が面倒

以下それぞれのメリットとデメリットを詳しく説明していきます。

ハードケース



見た目は四角い箱です。
材質は色々とありますが、それなりの硬さがあり、衝撃が加わっても、中の三味線を守ってくれます。雨は三味線の大敵なのですが、軽微な雨ならば耐えられますし、ケース用の防水カバーも売られています。

ただし、その分、重さがあります。軽量化されたものでも、2~3 kgです。手提げタイプの物がほとんどで、長く持ち運ぶと腕が疲れます。

価格は20,000円程度です。

最初は、このタイプのケースを勧められることが多いかと思います。
三味線は繊細な楽器なので、その分、周りを強くするのが一般的な考え方だからです。

余談ですが、中途半端に大きい四角い箱を着物姿で持っていると目立つらしく、電車やバスで「それは、何が入っているんですか」とよく聞かれます。

ソフトケース


布製のため軽量で、リュック型の物が多く、非常に持ち運びやすいです。
着物のときは帯が当たるので、リュック使いは難しいですが、手提げとして使うこともできます。
見た目からして、「三味線が入っていますよ!」と分かりますね。

クッションが仕込まれてはいるのですが、軽さを重視しているため、強度は弱く、三味線を守る力も弱いです。

価格は10,000円前後です。

三つ折りケース


突然ですが、三味線は3つに分解できます。

まず、棹と胴が分解できます。そして、棹も真ん中のあたりで2つに分かれます。
棹と胴はともかく、棹はどう見ても1つの部品だろうと私は疑っていたのですが、実際、じっくり観察すると、継ぎ目が見えます。

3つに分解した三味線をコンパクトに収納できるのが、三つ折りケースです。
リュック型のものと手提げ型のもの、どちらもあります。

このコンパクトさがメリットなのですが、この特性が最大限発揮されるのは、機内持ち込み時です。
基本的に楽器は受託手荷物にはせず、機内持ち込みします。航空会社もそのように推奨しています。受託手荷物は国によっては放り投げられたりしますからね。
三つ折りケースならば、機内持ち込みも楽ちんです。

デメリットは、三味線を分解・組み立てしなければならないことです。
私はやり方は知っていますが、必要に駆られたことがないので、自分でやったことはありません。それに、マイ三味線を購入したばかりの人にはハードルが高いかと思います。

どうしても長距離移動が必要という場合に備えて、この選択肢を覚えておくのは良いことだと思います。

価格は、15,000円前後です。

譜面台


楽譜を置く譜面台です。家に1個あると便利です。
プラスチック製、木製、金属製などなど、色々な譜面台があります。
素材による違いを簡単にまとめました。

素材価格特徴
プラスチック3,000円ぐらい軽い
10,000円位上重みがあって、雰囲気が格好いい
金属3,500円ぐらい足の長さの調整機能がついている

家用には、プラスチック製を持っている人が多いと思います。

正座で練習する日と、椅子に座って練習する日がある人は、長さを調節できる機能のついた金属製の譜面台がオススメです。
ちなみに、膝が痛いときは、椅子に座って練習しても大丈夫ですよ。最初のころは正座が慣れない人も多いでしょう。膝を傷めない方が大切です。

譜面台は必ず購入が必要というものではありません。
私は、先生のお弟子さんに古いものを譲ってもらうまでは、辞書を重ねたものに楽譜を立てかけていました。教室に持っていくものでもないので、それで十分です。

番外編:胴掛け


三味線の胴掛けは、実は取替が可能です。
小物というには、大きすぎますが、オシャレの幅を増やすことができるので紹介させていただきます。

無地物以外に、写真のような柄物が数多く売られています。

しょっちゅう取り替えるものではないのですが、舞台用の三味線には、華やかなものをつけたいというニーズが多いようです。
無地の胴掛けを下地に自分の好きな布を貼り付けて、オリジナル胴掛けを作る人もいます。

また、最近は、メタリックな材質の胴掛けなんかも売られていて、多様化が進んでいます。

私は、あえて臙脂色一色の胴掛けを使っていますが、いつか舞台用の良い三味線を購入したら、派手な柄物にしようかなと考えています。

素材、柄によっては価格が釣り上がるのですが(たとえば、一点物の有名作家による作品とかだと、20,000円を超えてきます)、そうでなければ、だいたい7,000円前後です。

まとめ

ここまで、三味線の小物についてまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか?
思ったより色々な小物があったかと思います。
今回のまとめは以下の通りです。

・初心者に必要な小物は、バチ・指すり・滑り止めの3点。
・マイ三味線を購入すると追加で必要になる小物は、糸・駒・長袋・艶布巾。
・持ち運ぶ場合は、ケースが必要。

オシャレの幅がある小物は、お稽古や練習のモチベーションを上げるためにも積極的に取り入れてみましょう。
三味線を習おうという人は和小物も好きな人が多いかと思います。眺めているだけでも、テンションがあがりますよ。

ここまで読んでくださった皆さんの素敵な三味線ライフの一端を担えれば、幸いです。

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三味線歴三年目

神野(こうの)

社会人になってから様々な趣味(お稽古ごと)を始めました。
三味線、お琴、着付け、中国語 etc.
無理なく長続き!をモットーにゆったりとした心構えで続けています。社会人の趣味・お稽古ごとに一番必要なものは心のゆとりだと感じる今日このごろ。
本職はマニュアルライティングを少々。学生時代は生物学を専攻しつつも、小説・エッセイを書いていました。

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