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家で見られるダニの種類と対策について

臨床検査技師、医動物学非常勤講師

中西 正憲

臨床検査技師として細菌検査、寄生虫検査、衛生動物(ダニ,ハエ等)検査をしています。大学の非常勤講師として 寄生虫・衛生動物についての授業も受…

臨床検査技師をしています。中西と言います。
皆さんはダニと聞くとどんなものを思い浮かべますか、多くの方が殺虫剤のパッケージや掃除機のコマーシャルなどに出てくるものを想像されるかと思います。
実際、人が暮らす家の中には様々なダニが生息しています。人から血を吸うことで人に直接害を与えるダニもいれば、人に直接危害を加えない種類のダニもいます。一口にダニと言ってもその生活の様式や暮らしている場所も様々で人に与える影響も異なります。
今回はそんな人の身近に暮らしているダニについてお話をさせて頂こうと思いますのでよろしくお願い致します。

イラスト:P.N.ちくわさんより友情提供

お久しぶりです。マダニのダニエルです。
今回は人の身近な場所に暮らしているダニについてのお話をさせて頂きます。僕たちマダニの様に家外で暮らしている大型ダニではなく、人の住環境に適応した微小なダニのお話です。
皆さん、嫌がられるかもしれませんが、昔から人とダニは生活空間を共有している関係にあるんです。今回はそんなミクロなダニワールドに関するお話です。

目次

  1. 家の中で見られるダニと家の外で見られるダニ
  2. 家の中で見られるダニの種類
  3. 家で見られるダニによる症状
  4. 家で見られるダニの対策

家の中で見られるダニと家の外で見られるダニ

現在においてダニ類は分類がはっきりしているもので1700属3万種が知られていますが、その実数はもっと大きく60万種をこえる大群ではないかと考えられています。
種類によって生活の場所や生活スタイルも様々で人や動物に寄生するもの、昆虫などに寄生するもの、土壌の中で自由生活を送っているものなどそれぞれの場所に適応して生活しています。人に影響を与えるダニの中からまずは家の中で見られるダニ家の外で見られるダニについて説明しようと思います。

家の中で見られるダニについて

家の中で認められるダニの代表的なものと言えるのがヒョウヒダニコナダニ等といった室内の埃に見られるダニです。殺虫剤や掃除機のコマーシャルなどでよくモデルとして使われているのがこのダニになります。直接、人に危害を加えることは稀ですが、死骸や排泄物などがアレルギーの原因となることがあり問題となっている種類です。

人に何らかの危害を加えるダニとしてはツメダニイエダニ等があげられます。
ツメダニはコナダニ等の他のダニや小昆虫を餌として生活しています。人の血を食料としているわけではないので人を襲って吸血するようなことは無いのですが、人と接触した際に偶発的に人を刺すことがあるため人に危害を加えるダニの一つと言えます。
イエダニはツメダニとは違い人や動物の血を餌としているため激しく人を襲うことが知られています。同じような種類に鳥類に寄生するトリサシダニ等があげられます。

家の外で見られるダニについて


↑葉っぱの上を移動するダニ(ハダニの仲間と思われます)

野外にも多くのダニが生息しています。植物に寄生するハダニやフシダニ。土中で生活するササラダニ、水中で生活するミズダニという種類もいます。
ダニの仲間には人工的な環境で暮らしている種類もいます。家の近くなどで目にする種類としてはブロック塀などに多数見られるタカラダニの仲間があげられます。夏場にブロック塀やビルの壁面に小さな赤い虫が多数走っている姿を見かけることがあるかと思いますがこの赤い虫がタカラダニです。
タカラダニは小昆虫や昆虫の卵を餌としているダニなので人に被害をもたらす種類ではありません
人に被害をもたらす野外のダニとしてあげられるものはマダニツツガムシがあげられます。特にマダニは人や動物の血を餌としていて、様々な感染症の運び屋ともなっているので注意が必要です。マダニに関する話は下記アドレスの記事に詳しくまとめてあります。
「日本における主なマダニの種類について」
https://expertnote.jp/article/233

このように僕たちダニは色々な場所で暮らしています。コンクリートの壁や土の中、植物について暮らしている人もいるんですよ。ダニと聞くとカーペットや畳をイメージされがちですけど、それ以外の場所にも沢山いるんです。
それに、ほとんどのダニは人に影響を及ぼさないので、僕たちを見かけてもあまり気味悪がらないでください。

家の中で見られるダニの種類

ここからは家の中で認められるダニについてより詳しくお話をさせて頂こうと思います。人や動物の血を吸うダニもいれば、他のダニや昆虫を餌とするダニ、人のフケや垢を食べて生活するダニなど様々な種類のダニがいます。

人を刺すダニ

➀イエダニ

体長は0.6~1.0㎜。長卵円型で淡褐色の体色をしたダニです。血を吸っていない時は白っぽい色をしていますが、吸血すると赤または黒褐色になります。主にクマネズミドブネズミの巣に生息してネズミの血を餌として生活しています。しかし、宿主のネズミが死亡したり移動した場合に新たな宿主を求めてネズミの巣から移動し激しく人を襲います。就寝中に寝具の中に侵入し衣服に被われた皮膚の柔らかい部分を選んで吸血することが多いとされています。
以前は住居内で認められる皮膚炎の原因ダニとして最も有力な種類であるとされていましたが、衛生状態の改善等に伴って減少していると言われていました。しかし、近年飲食店の増加などに伴ってネズミの生息数が増加しイエダニの被害もあとを絶たないと言われています。

↑イエダニ(出典:PIXTA)

②トリサシダニ

体長は0.5~0.6㎜。体の形態はイエダニによく似ています。イエダニと異なる点はイエダニはネズミの巣を住処としていますが、トリサシダニは名前に鳥とあるようにを宿主としているという点です。ニワトリ等の家禽類ムクドリ等の野鳥、時にネズミにも寄生していることがあります。宿主である鳥の子育てが終わり雛が巣立ってしまうと残されたダニが宿主を求めて家屋内に浸入し吸血されるという被害を受けます。このトリサシダニの仲間にはスズメサシダニワクモと呼ばれるダニがいて同様の被害を引き起こします。

③シラミダニ

人を刺すダニの中で少し変わった生態を持っているものにシラミダニがあります。大きさはトリサシダニよりもさらに小さく0.2~0.3㎜と非常に小さなダニです。
シラミダニの変わっている点は宿主が昆虫であるという点です。イエダニやトリサシダニ等の様に動物に寄生するのではなく、シバンムシ等の昆虫類に寄生して昆虫類の体液を餌としています。最近の家屋は気密性が高く冬場でも暖かいのでシバンムシ等の害虫が大発生することがあります。そうなると宿主の増加とともにシラミダニ等の寄生虫も増加し人が刺されて皮膚炎を生じることになるのです。シバンムシの大発生はダニ以外にも人の健康被害をもたらす場合があります。
シバンムシに寄生するシバンムシアリガタバチという昆虫がいるのですが、餌であるシバンムシが増えたことでシバンムシアリガタバチも増加し人が偶発的に刺されるという被害が報告されています。

④ツメダニ

偶発的に人を刺すダニとして知られているものにツメダニがあります。ツメダニは大きさが0.5~0.8㎜と小さなダニで室内の埃やカーペットの中などで生活しています。ツメダニは今までのダニと異なって寄生生活を送るダニではなく、コナダニのような微小ダニやチャタテムシ等小昆虫を餌とする自由生活を送っているダニです。積極的に人を刺すわけではありませんが、人の肌に触れると偶発的に人を刺す場合があります。シバンムシと同様に室内でコナダニ等の餌となる虫が増加した場合にツメダニも増加して偶発的に人が刺される被害が発生しやすくなると言うわけです。

人を刺さないダニ

➀ヒョウヒダニ

室内の埃やカーペット、畳等には多種類のダニが生息している場合があります。その一つがコナヒョウヒダニヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類です。大きさは0.3~0.4㎜程と非常に小さなダニです。室内埃以外にも、食品の中や動物の飼料、医薬品から見つかる場合もあります。ヒョウヒダニ類は直接人を刺すようなことはしませんが、死骸や排泄物などがアレルギーの原因となることが知られています。

②コナダニ

コナダニ類もヒョウヒダニ同様にアレルギーの原因となるダニです。各種食品や家畜の飼料、畳やふすまから発生する場合もあります。お好み焼き粉やホットケーキミックス等の小麦粉製品コナダニが大量発生していてそれを食べることでアナフィラキシーショックを起こしたと言う報告もなされています。更にこのコナダニが大発生するとツメダニやコナダニ等の他のダニを捕食するダニが増えて人が刺される被害につながる場合もあります。

イエダニ君やトリサシダニ君のように積極的に人を刺すひともいれば、ツメダニ君やシラミダニ君みたいに積極的には刺さないひともいます。ツメダニ君やシラミダニ君は気づかない間に大発生していることもあるから気をつけてね!
皆が一番よく耳にするのはヒョウヒダニ君みたいにアレルギーの原因になるひとのことかな、カーペットや畳だけでなくて食べ物に発生することもあるから注意してね。ハウスダストとして気管支喘息なんかの原因になることもあるけど、食品と一緒に食べちゃうことでアナフィラキシーショックを起こすこともあるから気をつけてね!

家で見られるダニによる症状

ダニに刺される症状


(出典:PIXTA)

➀イエダニ等の場合

イエダニ等による吸血被害の場合、ダニに対するアレルギーによって皮膚炎などの症状が引き起こされるため、症状の程度は個人差が大きいとされています。刺された翌日から翌々日に痒みを伴う紅斑紅色丘疹が出現します。皮疹は孤立性、不規則性に散財しますが、一部集まっている場合もあるとされています。腋周辺股周辺下腹部などの皮膚の柔らかい部分を狙って刺します。衣服の下に潜り込んで脇の下や股周辺などを刺すので「エロダニ」とも呼ばれています。
皮膚炎は個人差が大きいので同じ場所で寝ていても症状の程度が異なる場合やダニの侵入経路によって特定の場所で寝ている人が良く刺されると言ったことも起こります。トリサシダニ等の鳥類寄生性のダニでもイエダニと同様の被害が認められます。一般的にイエダニによる被害は6月~9月の夏季に多く認められ、トリサシダニ等の被害は6月~7月の初夏頃に多く認められます。

②ツメダニ等の場合

ツメダニの場合はイエダニの様に狙って人を刺しているわけでは無いので衣服の下に潜り込んで刺されるようなことはありません。ダニに刺されて1日~2日で痒みを伴う紅斑、もしくは紅色丘疹が現れて1週刊程度で軽快します。ツメダニによる刺症被害を証明することは難しいとされていますが、夏場に高温・多湿の畳部屋で生活していて、痒みを伴う皮疹が認められた場合にはツメダニを疑う必要があるとされています。
昆虫に寄生するシラミダニに刺された場合でもツメダニと同じような症状が認められます。気温・湿度が高い時期に多く見られ、刺されてから10時間程経ってから睡眠時に増強する激しい痒み伴う発赤が現れて4日~5日間持続します。

一口にダニに刺されたと言ってもみられる症状や刺されやすい時期はダニの種類によって大きく変わるんだ。
基本的にダニに刺されて起こる症状の原因はアレルギー反応だから個人差も大きいんだ。認められた症状や症状が現れた箇所をよく確認してお医者さんに伝えてね。きちんと原因を調べて対処しないと再発や悪化の原因になるからね

ダニによるアレルギー症状


(出典:PIXTA)
室内に住むダニによるアレルギー症状はよく知られたことかと思います。室内埃のダニは1年を通じて生息していますが、高温多湿となる7月に最も多く認められます。気管支喘息や目、鼻のアレルギー、アトピー性皮膚炎を増悪させる原因にもなります。日本の場合、夏場は温暖で湿潤な気候となり、住居内に畳などダニの発生源なるものがあるため室内で容易にダニが増加しやすい環境にあります。特に小児気管支喘息においてダニ陽性患者の喘息発作の発生状況と季節によるダニの生息数の消長が一致したという報告も成されていてダニの密度を減らすことがアレルギーを軽減する一因になると考えられています。
また、コナダニやニクダニの様に食品を好むダニが食品内で増殖し、そのダニを食品とともに摂取したことでアナフィラキシーショックを引き起こしたと言う報告も成されているので身近に潜むダニにより一層の注意を払わなくてはいけません。

ダニの人体内寄生

これは非常に稀な報告事例ではあるのですが、コナダニやニクダニ、サトウダニ等、本来は食品類を餌として自由生活をしているダニが人体内から見つかる場合があります。糞便尿腹水といった排泄物や穿刺液からこれらの微小なダニが検出されることがあるのです。多くの場合は容器や機器類にダニが付着していて、検体を採取する際に検体内に紛れ込んだものです。しかし、ごくまれにこれらのダニが人の臓器・組織内に寄生する場合があるのです。寄生されている場合には下痢や腹痛、血尿、血痰などの症状が認められます。

症状名寄生場所症状
消化系ダニ症腸管下痢・腹痛
尿路系ダニ症膀胱、腎臓血尿・浮腫
呼吸器系ダニ症肺、気管咳・血痰

ダニがアレルギーや喘息の原因になることは良く知られていることだけど、それだけでなくて時には人の体の中に住みついちゃうこともあるんだよ。
このことを人体内ダニ症とよんでいるよ。ケナガコナダニ君みたいに環境中に多く暮らしているダニが認められることが多いんだ。人体の中に入る経路だったり詳しいことは良く解っていないんだけど、アレルギー以外にも人に悪い影響を与えてしまうことがあるのを知っておいてね

家で見られるダニの対策

ダニの対策法

まずは家内のダニに対する対策について説明をさせていただきます。
家内で発生するダニに対する対策でまず重要なことは、原因となっているダニの種類を特定することです。家内で虫刺されなどの健康被害が生じた場合に、その原因となる虫の種類は多く対策も異なります。まずは原因をしっかりと見極めて対策を行わなければいけません。しかし、人に何らかの健康被害をもたらすダニの種類は多く種類によって検査法や採取方法も異なるため原因の特定が困難であると言えます。

殺滅法と制御法

ダニの対策には大きくわけて殺滅法制御法の二つがあります。

殺滅法

殺滅法は文字通り殺虫剤などを用いて原因となるダニを殺虫してしまう方法を指します。具体的には熱処理殺虫剤の使用発生源の除去があげられます。
熱処理や殺虫剤の使用はイエダニ等の吸血性のダニやシラミダニなどの刺咬性のダニなどによる病害に対して大きな効果が期待できます。ダニの中には殺虫剤に対して抵抗性をもつものもいるようですが、吸血性のダニは殺虫剤に対して強い抵抗性は持たないとされています。
ダニの発生源が限局している場合発生場所が究明できる場合には発生源の除去も有効な対策となります。特にシラミダニの様に昆虫などに寄生するダニの場合、宿主となる昆虫の発生場所を特定して除去することで駆除とともに対策を行えます。

制御法

制御法は住環境の管理や生活改善によってダニの増殖を極力抑制しようとする方法です。具体的には住生活の改善住居内の環境整備掃除の徹底建築様式の改善等があげられます。制御法は主にアレルギーの原因となるダニへの対策として有用です。アレルギーの原因となるダニに関しては、殺滅法で殺虫してもダニの死骸がアレルゲンとして残ってしまう問題があります。また、ダニが発生しやすい環境を整備しなければ、殺虫しても再びダニが増殖してしまい症状が改善しないという恐れもあります。じゅうたんや寝具の掃除洗濯室内の換気通気徹底した掃除等ダニが増殖しにくい環境を作り出すことが重要です。また、ダニによる汚染がひどい場合には汚染源となっている物の破棄等状況に応じて殺滅法と制御法を組み合わせて対策を行うことが重要です。
この後はそれぞれのダニに合わせた対策について触れていこうと思います。

イエダニ等の場合

ダニによる皮膚炎症状は虫刺され用の薬を使用することで治まりますが、根本原因であるダニを取り除かなければ解決にはなりません。イエダニが原因の場合はまずは宿主であるネズミに対する対策を行う必要があります。まずはネズミを駆除してネズミの巣も除去します。トリサシダニ等の場合も同様で発生源である鳥の巣を除去する必要があります。ただ、野鳥は鳥獣保護法で保護されている場合があるので安易に巣を取り除くわけにもいかない場合があります。軒下や雨戸の戸袋など人の生活圏内で巣を作られないように注意する必要があります。換気扇や通風口等ダニの侵入経路となる場所には殺虫剤を散布して侵入してくるダニを除去します。
一般的にダニ対策として用いられるような、燻煙型殺虫剤等の使用はイエダニやトリサシダニにはあまり効果がないと言われています。イエダニの住処であるネズミの巣は屋根裏等室外にあるため燻煙剤を使用しても効果の範囲外になってしまうためです。

ツメダニ・ヒョウヒダニの場合

ツメダニやヒョウヒダニ等の室内に住むダニの対策は基本的に同様なります。
まず、イエダニと大きく異なる点は燻煙殺虫剤等の効果がある程度期待できるという点です。ただ、殺虫剤の成分が畳の内部や隅々まで完全に行き渡らないこともあるため殺虫剤の効果を過信しないようにしなければいけません。まずは餌となるヒョウヒダニやコナダニ等の微小なダニの発生を抑えることでツメダニの発生を抑える必要もあります。
近年、住宅の高断熱・高気密化が進み室内の埃の中に認められるダニの数も増加傾向にあるという報告もなされています。また、以前は定期的に行われていた大掃除の頻度低下や共働き・核家族化・単身世帯の増加などにより住居管理が貧弱化していることもダニ増加の要因になっていると考えられます。ヒョウヒダニやコナダニと言ったダニ類は殺虫剤などを用いてダニを殺虫するのではなく、ダニの増殖を抑制して制御する方法が一般的です
まめな掃除や屋内の換気、寝具・カーペット等の熱乾燥処理、マットや絨毯の重ね敷きを避けるなどダニが増殖しにくい環境を整備することが重要となります。

床に対するダニ対策
・日常の掃除の徹底
・ソファ、椅子のクッション部分の掃除機掛け
・じゅうたんの下・裏面の掃除
・床をフローリングにする等

寝具類のダニ対策
・寝具の日光干し
(布団乾燥機等での乾燥処理)
・布団・毛布の洗濯(1回/1~2年)
・シーツなどの洗濯(1回/1週間)
・寝具の掃除機掛け(1回/1週間)
(干した後が効果的)

その他のダニ対策
・ぬいぐるみ等の管理
(洗濯・掃除機掛け・日光干し)
・箪笥や押し入れの整理
(死滅衣類を作らない)
・空気清浄機等の使用
・ホコリがたまりやすい家具・家電の清掃

食品に発生するダニ

チリダニやコナダニ等本来は室内の埃中で認められるダニが食品中で繁殖し、アナフィラキシーショックが認められる場合があります。これらダニに対する対策も室内埃に生息するダニと同様の対策が求められます。まず、原因が食品なので殺虫剤や燻煙剤などを用いるわけにはいきません。ダニは乾燥に弱く、一定以上の温度域外の低温・高温にも弱いため食品は全て冷蔵庫管理をする等増殖源となる食品の管理が第一となります。部屋の温度・湿度等環境条件の管理増殖の可能性が高い場所の清掃・洗浄を徹底する等と言った周辺環境を含めた管理も重要となります。

ダニは昔から人の住環境内で生息場所を見つけ人とともに暮らしてきた生き物と言えます。日本における住環境の変化・ライフスタイルの変化によってダニが増殖しやすい環境が生まれ、今までは問題視されていなかったダニが身近な問題として取り上げられるようになったとも言えます。
自身の周りの環境からダニを一掃するのではなく、環境を整備することでダニが増えすぎないような環境を維持することがより良い住む環境を手に入れるためには大切と言えるのではないでしょうか。

これで僕の話はおしまいです。
今回も最後までありがとう。
僕たちダニは人間と長い時間共存してきた関係にあるんだと言うことを忘れないでね。僕たちが増えすぎちゃうと人に悪い影響を与えてしまうこともあるけど基本的には無害な存在だから。
毛嫌いして生活の場所から一掃しようとすると、逆に人に悪い影響を及ぼすことにもなりかねないから。上手に付き合う様にしてくれたらうれしいな

参考文献

「図説 獣医衛生動物学」今井壮一、藤崎幸三、板垣匡、森田達志 著(講談社サイエンティフィク)2009
「新版 日本の有害節足動物 生態と環境変化に伴う変遷」加納六郎、篠永哲 著(東海大学出版会)2003
「Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎」夏秋優 著(秀潤社)2013
「医療従事者のための医動物学」伊藤洋一、山口昇、安居院宣昭、内田明彦 著(講談社サイエンティフィク)1995
「ダニ病学 暮らしのなかのダニ問題」高田正敏 著(東海大学出版会)2013

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臨床検査技師、医動物学非常勤講師

中西 正憲

臨床検査技師として細菌検査、寄生虫検査、衛生動物(ダニ,ハエ等)検査をしています。大学の非常勤講師として
寄生虫・衛生動物についての授業も受け持っています。臨床寄生虫学会に所属していて現在の日本の寄生虫の状況など
についても学んでいます。

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