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失敗しないそら豆栽培-冬を乗り切る工夫-

野菜栽培歴4年

fnp2101

長期にわたって野放し状態で、雑草だらけだった畑の耕耘からスタートして4年、野菜栽培もようやく軌道に乗ってきました。発芽に失敗したり、台風や季…

そら豆は豆自体にボリューム感があり、塩茹でにすると大変おいしい、初夏を代表する野菜です。
しかし、種蒔きは秋、収穫は翌年の晩春から初夏にかけて行うという、非常に栽培期間の長い野菜です。そのため、栽培を躊躇する方もいますが、栽培自体は決して難しい野菜ではありません。うまく冬を乗り切れば、初夏には大きいそら豆をたくさん収穫することが出来ます。
ここではそら豆の栽培に関して、自身の経験をもとに、種蒔きから収穫までの一連の工程について、冬を乗り切る工夫などを含めて解説します。そら豆栽培にためらいのある方が、これを機会に栽培を始め、家庭菜園ならではの新鮮な初夏の味を楽しんでいただけたら、うれしいです。
なお、特に断りのない限りは、関東地方南部における露地栽培を前提に解説します。そら豆のプランター栽培に関しては最後に解説を加えました。

目次

  1. そら豆とは?-低温にあわないと開花しない-
  2. そら豆の栽培時期-適期に種蒔きを-
  3. そら豆の品種-秋まき品種と春まき品種-
  4. 畑の準備-連作を避け、窒素分は少なめに-
  5. 種蒔き-遅くても、早くてもNG-
  6. 苗の植え付け
  7. 冬を乗り切る工夫-マルチ&防虫ネット&不織布で防寒-
  8. 追肥と土寄せ-成長に備えて-
  9. そら豆成長期の作業-間引き、倒伏対策、摘心を忘れずに-
  10. そら豆の収穫
  11. そら豆のプランター栽培

そら豆とは?-低温にあわないと開花しない-

そら豆の実(莢)は、成熟するに従って下(地面のほう)を向いてきますが、最初は上(空)を向いて成長します。空に向かって成長する豆、だから「空豆」と呼ばれるようになったようです。

このそら豆は、生育初期に、一定期間、低温にあわないと開花しないという性質を持っています。そのため、中間地や暖地では、秋に種蒔きして、翌年の晩春~初夏に収穫するということになります。
そしてそら豆は収穫後の鮮度の低下が早いです。新鮮さが勝負の野菜と言えるわけで、まさに家庭菜園向きです。

そら豆の栽培時期-適期に種蒔きを-

前述した性質から、そら豆は適切なタイミングで種を蒔き、冬を迎えさせる必要があります。種蒔きが適期よりも極端に遅すぎたり早すぎたりすると、茎葉が元気でも開花しない、つまり実をつけないことがあります。
下図は、各地域における栽培時期の目安を示したものです。栽培時期は品種によっても変わってきますので、種子の袋に記載されている栽培時期を守って栽培するようにしてください。北日本の地域では春まき栽培が適しています。
下図では、温暖地や暖地の栽培期間は秋まきの場合で、寒冷地の栽培期間は春まきの場合で示しています。

そら豆の品種-秋まき品種と春まき品種-

そら豆の品種は、秋まきに適した品種と春まきに適した品種に大別されます。
秋まきの品種が一般的ですが、春まきの品種は、「低温にあわないと開花しない」性質を改良した品種で、北日本や冷涼地の栽培に適しています。

代表的なそら豆の品種

一寸そらまめ 打越緑一寸(うちこしみどりいっすん)(サカタのタネ社)

実が大粒で、かつ3粒を持つ莢の多いのが特徴。耐寒性に優れ、多収穫で初心者向けの秋まき品種。
個人的にはこれが気に入ってます。

Amazonより引用

ソラマメ 三連(さんれん)(タキイ社)

3粒の実が入った莢が多いのが特徴。草勢が旺盛で栽培しやすく、多収穫を期待できる秋まきの品種。

Amazonより引用

秋春そらまめ 駒栄(こまさかえ) (サカタのタネ社)

開花に低温が不要な品種。秋まきも出来るが、春まきに最適な品種。草丈が低めで、分枝は少ない。

Amazonより引用

畑の準備-連作を避け、窒素分は少なめに-

畑の選択-連作禁止-

そら豆のようなマメ科の野菜は連作を嫌います。そら豆栽培用に畑を準備する場合、3~4年の間は豆類の栽培をしていない場所を選択する必要があります。連作を行うと立枯れ病などの病気が発生しやすくなります。

石灰散布&耕耘-植え付け(種蒔き)2週間前-

苗の植え付けあるいは種蒔きの2週間前をめどに、畑に石灰を散布、深さ30cm程度までよく耕します。石灰としては苦土石灰を使用します。1㎡当たり150gが目安です。
石灰の効果については、当サイト内の「白菜の育て方」に記載しました。参考にしてください。

施肥&耕耘-植え付け(種蒔き)1週間前-

苗の植え付けあるいは種蒔きの1週間前をめどに、畑に肥料を施し、よく耕して肥料と土を充分に混ぜ込みます。
肥料としては、完熟堆肥と化成肥料を使用します。化成肥料は、窒素分の少ないものを選択します。「豆類専用」と記載されている化成肥料なら使用できます。下の写真は化成肥料の例です。

Amazonより引用

肥料全般について、当サイト内の「白菜の育て方」に掲載しました。参考にしてください。

畝を立てる-畝幅を広めに-

高さが10cm、幅が80cm~1mほどの畝を立てます。1条植え(畝の中央に1列で植える)を想定しています。株間は40cmほどです。10株を栽培しようとすると畝の長さは4.4mになります。そら豆は成長するとかなり繁茂してきますので、畝幅は広めがよいです。

畝幅を1.2m以上確保すれば、2条植え(2列植え)も可能です。この時、条間は60cmを確保し、千鳥植え((ちどりうえ)株が重ならないよう、ずらして植える)とします。畑の面積や栽培する株数に応じて1条植えと2条植えを併用するのもよいと思います。

マルチを敷く

畝を立てたら、保温・保湿、そして雑草抑制のためにポリマルチシート(マルチ)を畝に敷きます。そして、風で飛ばされたりしないよう、4辺に土を載せます。
これで畑の準備は完了です。

マルチは暖かい時期には必須というものではありませんが、そら豆のように栽培期間が冬をまたぐような場合、地温を考えると使用したほうが安心です。

種蒔き-遅くても、早くてもNG-

種蒔きの仕方には二通りの方法があります。直接、準備した畝に種を蒔くやり方(直蒔き)と育苗用培養土を用いてポット等に種を蒔き、ある程度まで苗を育ててから、畝に植え付ける方法(ポット蒔き)があります。
そら豆の場合、いずれの種蒔き方法でも可能ですが、発芽の確実性を考慮するとポット蒔きが安心です。
共通して言えることは、種蒔きの時期を間違えないこと、そして、蒔く時の種子の方向に注意することです。

種蒔きの時期に注意-適期を守って-

品種や気候にもよりますが、秋まきの場合は、10月中旬から11月中旬が種蒔きの適期です。種子の袋に記載されている種蒔き時期のタイミングを逃さないようにします。適期よりも1か月以上遅れたり、また早くなってしまうと、順調には育ちません。開花しないこともあります

種子の方向に注意

確実に発芽させるためには、蒔く時の種子の方向に注意が必要です。
そら豆の種子にはお歯黒(おはぐろ)と呼ばれる黒い筋がついています。この部分を斜め下にして蒔きます。根はこの部分から出て来ます。
種子の深さは1cm程度です。
下はお歯黒を示すために掲載した種子の写真です。色が茶色になっていますが、初夏に収穫した実を、種子用に秋まで保存しておいたものだからです。販売されている種子は、きれいにコーテイングされています。

収穫した実を翌年の種子に利用
収穫したそら豆の実は、次の栽培の種子として使えます。
莢のままで乾燥させ、そのままの状態で風通しの良い日陰で数か月間、保管しておきます。種蒔きの時期になったら莢から実を取り出して種子として使います。
ただ、何度もこれを繰り返していると発芽率が悪化したり、生育が遅れるなどの弊害が出て来ます。種子の使いまわしは1~2回にとどめたほうが無難です。

直蒔き-不織布の活用-

種を蒔く場所のマルチをカッターナイフ等で十字に切り、種の深さと方向に注意しながら、1株当たり2粒ずつ種を蒔きます。土は事前に湿らせておくのがよいです。種蒔きの後には水やりは控えめにします。
直播きには、専用の培土が不要であったり、苗を植え付ける手間がいらないなどの利点もありますが、蒔いた種を鳥に食べられてしまう(鳥害)という欠点もあります。
この鳥害を避けるために、直蒔きの場合は種蒔きのあとに畝全体に不織布をかけて、発芽するまでは覆われた状態にしておきます。
そら豆が発芽し、苗が不織布を押し上げてきたら、はずします。
下の写真は直蒔き後、20日が経過したときのものです。発芽し、苗が不織布を押し上げています。そろそろ不織布をはずす時期です。

不織布とは?
不織布は、文字通り、織っていない布の意です。野菜の栽培では、種子や幼苗の保温・保湿のために、また害虫や鳥から守るために使用されます。防風の効果もあります。
水や空気は通しますが、日光は多少、遮られます。水やりは、不織布の上から水をかけることで大丈夫です。

ポット蒔き-気候に応じた保管場所で-

そら豆のポット蒔きには深さ・径とも9cm前後のポットが使いやすいです。

Amazonより引用
ポットに種蒔き用培土を入れて、深さと方向に注意しながら2粒づつ種を蒔きます。土はあらかじめ湿らせておくのがよいです。個人的には、保水性がよく扱いやすい下記のものが気に入ってます。

Amazonより引用

種蒔き後は軽く水やりを行い、温暖な場所で保管します。保管時は上面を新聞紙などで覆うと、乾燥防止に効果があります。

苗の植え付け

ポット蒔きした場合は苗を植え付ける作業が必要になります。
苗が本葉2~3枚まで育ったころに、畑の畝に植付けます。苗が2本の場合は、そのまま2本を植え付けます。
植付ける場所のマルチをカッターナイフ等で十字に切り、穴をあけます。そして、ポット内の土をくずさないよう注意し、ポット内の土といっしょに畝に植え付けていきます。
植え付け後にはたっぷりと水を与えます。

冬を乗り切る工夫-マルチ&防虫ネット&不織布で防寒-

そら豆は比較的、低温には強い野菜ですが、寒い冬を乗り切り春の成長を迎えるためには、防寒対策も重要になってきます。

マルチの使用-地温を上げて霜を防ぐ-

前述したように、マルチの使用は畝の地温上昇に有効な方法です。そら豆のように冬を越して栽培される野菜の場合は、防寒・防霜対策として積極的にマルチを活用しましょう。

防虫ネットの活用-苗の防風対策-

冬の季節風をまともに受けてしまうような畑でそら豆を栽培する場合は、畝全体を防虫ネットでかこみ、苗に風が直接あたらないようにします。

元々、防虫ネットは、その名前の通り害虫除けのために使用されますが、ここでは防虫ネットを風よけとして使います。風が強い日、ネットの外で栽培されている野菜が風でかなりゆれている場合でも、ネット内のそら豆の苗は、それほどはゆれていません。風よけの効果は充分あり、防寒対策としても有効と考えます。

不織布の活用-苗の防寒対策-

防虫ネットの上に、さらに不織布をかけます。風の当たる北側だけにかけることで十分です。畝全体に不織布をかけてしまうと、苗にあたる日射量が減少してしまい、生育への悪影響が懸念されます。

防虫ネットの撤去

2月後半にはそら豆の茎も30cm前後に成長し、下からネットを押し上げるようになります。この時点でネットを撤去し、あわせて追肥(後述)の作業を行います。
北側部分にかけた不織布は、2月いっぱいはかけておいたほうがよいでしょう。

追肥と土寄せ-成長に備えて-

春の成長に備えて、2月後半をめどに1回目の追肥作業を行います。
追肥としては化成肥料を使います。株元からマルチの中に手を入れて、株の周辺に散布します。1㎡当たり30gが目安です。
この時に同時に株元に土寄せを行います。土寄せはマルチの上に土を載せてしまうことでかまいません。

そら豆成長期の作業-間引き、倒伏対策、摘心を忘れずに-

茎の間引き

暖かくなるにつれて成長も加速し、たくさんの茎で繁茂してきます。
草丈が50cm前後になったら、茎の間引きを行います。徒長した貧弱な茎や生育が遅れている茎などを株元でカットし、元気な太い茎を7本前後、残します。

茎の倒伏を防ぐ

そら豆の株が大きく広がったり、倒れてしまうのを防ぐために、畝の周囲に支柱を立ててひもで囲みます。また、株元に土寄せを行います。土寄せはマルチの上から行うことでかまいません。

長さや径の違いなどで、様々な支柱が販売されていますが、ここで使用する支柱は長さ1m程度はほしいです。

Amazonより引用

また、茎が傾いてしまっても、元の状態に戻したり、植えなおすことはしないほうがよいです。根を痛めてしまう場合があります。傾いた状態でも実は付きます。

そら豆の摘心

茎が80cm前後まで成長してきたら、先端の茎葉20cmほどを切り取ります。この作業を摘心と言います。
摘心は、養分を子実に集中させる意味があります。またアブラムシがつきやすい先端の成長部分を取り除き、アブラムシを寄せ付けなくする効果もあります。先端に既にアブラムシがついているようなら、カットした茎を畑の外に運び、アブラムシを踏みつけます。

追肥-実を充実させる-

摘心を行う頃には、莢の数も増えて、そして徐々に肥大してきます。この時期に2回目の追肥作業を行います。1回目の追肥と同量の化成肥料を与えます。

そら豆の害虫対策

暖かくなるとアブラムシが出現します。特に茎の先端に集中して発生します。前述の摘心作業もアブラムシ対策になりますが、防除には殺虫剤の散布が効果的です。アブラムシを見つけたら早めに殺虫剤を散布します。
多くの殺虫剤がありますが、下の写真のものは、さかさまでも使えたり、また使用回数に制限がないなど、使い勝手の良い殺虫剤です。
殺虫剤には使用方法などが詳細に記されています。記載されている使用法に従って使うようにしてください。

Amazonより引用

そら豆の収穫

気候にもよりますが、10月に種を蒔いた場合、収穫は5月後半から6月になります。
そら豆の莢が下を向いてきます。そして莢に黒い筋が目立ってきたら収穫のサインです。下の写真は収穫間近の状態のものです。

大きめの莢から順に、はさみなどで莢の根元をカットして収穫していきます。収穫したそら豆は、冷蔵庫などで保存したりしないで、すぐに食するのがよいです。

そら豆のプランター栽培

そら豆は株数を欲張らなければ、プランターでも栽培出来ます。
なるべく大きい、深さ30cm前後のプランターを使用しましょう。
そら豆は一つの株から7本前後の茎が伸び出します。下の写真は、幅が55cmと大きめのプランターですが、中央に一株を植え付けるのがよいです。

Amazonより引用

プランターの底に鉢底石を敷き、プランター栽培用の培養土を満たします。培養土には肥料分が含まれていますので、元肥は不要です。
以下で引用した培養土は、暖効性肥料を配合しており長期間にわたって肥料の効果を保ちます。そして軽い肥料ですので、プランターや鉢の移動も容易に行えます。

Amazonより引用

苗の植え付けや以降の手順は露地栽培と同じです。
莢が肥大してきた頃に、追肥として小さじ一杯程度の化成肥料を与えるのがよいです。
また、倒伏を防ぐためにプランターの四隅に支柱を立てて、周囲をひもで囲むなどの対策が必要です。冬の間は、風が弱く、日当たりのよい場所で保管するのがよいです。

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野菜栽培歴4年

fnp2101

長期にわたって野放し状態で、雑草だらけだった畑の耕耘からスタートして4年、野菜栽培もようやく軌道に乗ってきました。発芽に失敗したり、台風や季節風、動物にやられたりと多くの失敗もありましたが、このような実体験をベースに、「失敗しない」野菜の育て方について、わかりやすく解説していきたいと思っています。

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